こんにちは。ぐうぽんです。
先日の6年国語では「言葉の変化」について指導しました。
時代によって変わった言葉、世代によって言い方が違う言葉にスポットを当て、使う上では時代、世代間の齟齬を理解するなどの注意が必要というものです。
小学校に限らずですが、授業というのは講義型が多いです。
まあ知識を教授しないとそれをヒントに思考、判断することもできないので仕方ないですが、そんな授業ばかりでは飽きてしまいます。
学びの主役は児童ですので、自分たちで知識を探させて学んだ方が楽しいと思うんです。
そこで今回は、ネットを使って変化した言葉たちを探してきてね、と称していろいろ見つけてもらうように仕掛けました。
サイトの下調べ
児童にネットを使って調べさせる場合、サイトの下調べは大変重要です。
大人と違い児童はネットの扱いが未熟です。
何もせず「探してこい」と投げてしまうと、児童が変なページに行ってしまったり、サイトに辿り着けなかったりと結果が伴わない危険性があります。
そうならないために、前もって使えそうなサイトは調べておきましょう。
総合のように本格的な調べ学習なら児童に検索ワードも考えさせますが、今回は情報収集がメインなので、ここでは使えると判断した検索ワードを提示し、そこから調べてもらうようにしました。
授業をやってみて
掴みとして、「エモい」「ヤバい」といった言葉を例に出して普段使っている言葉に注目させ、ネットで調べその結果を発表してもらいました。
板書はせず、ワークシートを書画カメラで投影しました。
時代での変化は「古典 現代 言葉」をキーワードに以下のサイトを利用しました。
https://manapedia.jp/text/350
言葉の意味が少し変わったものもあれば、正反対になったものもあり、その変化に驚いていました。
続いて世代による変化も「世代 言葉 変化」で探してもらいました。
まずはこのサイトでクイズ大会しました。
検索はここを使いました。
私の親世代が普通に使っていた「コール天」「魔法瓶」も今や死語。
(一部児童には「かっこいい」と刺さったようですが)
本当に言葉は巡り巡っているんだな、と感じました。
学びは調べて終わりではない
今日の授業は、正直言えば調べて終わりに近い形ですが、本来の目的は調べることではありません。
調べる中で、かつて使われていた言葉や、今も使われ続けている言葉の裏側には時代や世代といった人や時間の流れがあったという知識の面、そして言葉は今も変化していることへの気づきを持たせることでした。
どんな教科でも言えますが、調べて出てきた言葉を書くだけなら簡単です。
でも本当の学びとは、調べて知識を得たら、自らの知識と比較したり照合したりして考えを深め、新たな概念を生み出すことだと思うのです。
授業は知識教授型から、課題解決型へ
私は大学で卒論執筆の際、世界の教育スタイルを調べました。
そこで世界の授業の多くは生徒に課題を与えてその答えをAIやパソコン等を用いて見つけ出す授業だと知り、愕然とした記憶があります。
今の日本も少しずつですがそういったスタイルを取り入れつつありますが、指導の効率化を考えると、一斉教授を主とした方が統率が取れますし、教師の予想内に収まるので指導トラブルは起きにくい。だからそう簡単には変われないように感じます。
しかし社会に出ると、そんな手のひらの上で踊るような範囲内で物事が解決できる訳がありません。
目の前に起きた課題について、ネットで調べたり知見を活かしたりして解決を目指すものです。
だから学校教育も、そうした社会のベースに則った「課題解決型」授業をもっともっと取り入れ、やり方に慣れていく必要があると思うのです。
まとめ
教師の役割も、この十数年で「教える」から「支援する」に変わりつつあります。
それは見方によっては「教えないなんておかしい」「教育の怠慢」「投げやり」と捉えられるかもしれません。
しかしいつまでも手取り足取り教える、答えは教師が持っているという教育は良くないと感じます。
常に答えを教師に求めるような児童生徒の育成は好ましくありません。
それでは指示待ち人間になってしまいます。
自ら考え、判断し、下した決定を教師が判断したりアドバイスしたりするほうがよっぽど自立につながりますし、自己肯定感が育ちます。
私は課題解決型の延長こそ研究だと思っています。
こうした自らテーマを決め、資料を集め答えを出す活動が、総合だけでなく教科単元でも増えるようこれからも色々検討、実践してみたいと思います。