ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

自作教材を作る上での注意点

こんにちは。所長です。

 

ICT支援員時代、私は数多くの教材を作りました。

それは今でも授業で活用していますし、活用されてもいます。

 

まさに宝物のようなものです。

 

そんな教材づくりをするのもICT支援員の仕事だと思いますが、今日はそんな自作教材に関する考察をしてみたいと思います。

 

 

教材は一人で作れるけれど・・

現役時代、とにかくよく教材を作りました。

PowerPointだったりWordだったり、Excelだったり。

小学校向けから中学校向けまで、本当に沢山の教材が今も手元に残っています。

 

さて、そんな教材ですが今思うとICT支援員が一人で作っていませんか?

 

もちろん先生からの依頼があって作成していると思いますが、支援員だけで作ってもポイントがずれていることがあるのです。

 

教材とは 

教科書が求める学習目標の達成を補助するもの

 

なので、ここを落としてはいけないのですが、結構見落としがちになっているように思います。

 

自作教材は100%のものを提供しない、させない

なぜそういう思いに至ったのか。実はこんな話があったからです。

 

ある日、トラブルの対応が終わったとき、一人の先生が話を切り出しました。

 

「支援員さんが色々教材作って送ってくれるのはありがたいんだけどさ、ちょっとした修正とかができないんだよ。だって完璧に作られちゃってるから」

 

その言葉を聞いて、ハッとしたと同時に、自分ももしかしたら先生からそう思われていたのか・・と愕然としました。

 

確かに私自身、今振り返ると自己満足のものばかり作っていたように感じます。

作った教材は、そのほとんどはそのまま活用され、先生からの評価もいただきましたが、この一言を聞いたとき、

 

教材を作って提供するだけの支援員は本物の支援員じゃないのかもしれない。

作った教材を簡単に編集できるよう支援したり手順を示したりできて、本物の支援員なのかもしれない。

 

 

と捉えました。

 

ICT支援員が教材を作る際の注意点

 

私が今、教員として授業を請け負い、指導してみて思ったのは、

 

・どんなに一人で教科書や指導書等を見て作成しても自己満足のレベルでしかならない。

・長く活用される教材を作るなら、絶対第三者の視点が必要

 

 

ということ。

 

実際先生と二人三脚で作成した教材は、何年たっても他の先生にお見せしても「これはすごい」と高い評価をいただきますが、一人で作った教材は指摘や改善を要求されることが多いです。

このことから、長く使える教材は複数の視点と意見が必要だと言えるのです。

 

そしてICT支援員にぜひとも知っていてほしい、片隅に思っていてほしいのは

 

・教材は叩き台程度でかまわない

・製作に先生を関わらせてほしい

・もしすべて支援員が作るのであれば、必ず先生と一緒に作ってほしい

・先生のITスキルを向上させるのも支援員の役目

 

忙しくて一から作れない先生であっても支援員への丸投げは本来望ましいことではありません。

その場はいいかもしれませんが、それでは先生のITスキルは一向に高まりません。

ちょっとしたことでいいので、製作に先生が関われるような工夫が必要かと思います。

 それも支援員の役割だと思うのです。

 

ちょっと苦言めいたことを書きましたが、本来の目的は「先生方のICT活用力の向上」ですので、一人で全部作り上げるより、骨組み程度にして残りを先生に担当させるくらい任せてもいいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。ご参考になれば幸いです。