ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

【小5国語】日本十進分類法との出会いと図書館オリエンテーション

こんにちは。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

これまで約1年半担当してきた算数を離れ、4月から高学年の国語を担当しています。

 

 

担当は「単発単元」

国語のどんなところを担っているのかというと、簡単に言えば「単発単元」です。

 

国語の教科書と言うと、ごんぎつねや大造じいさんとガン、やまなし等の読み物系が心に残っているのではないでしょうか。

それらは担任の先生が行い、私はそれ以外。

主に漢字、詩、情報、習字など国語の幅広いジャンルについて指導させてもらっています。

 

とはいえ経験は大学のテキスト履修程度の右も左も分からない指導初心者。周りの先生に(どうすれば・・)と指導のノウハウを聞いてもドンピシャな回答がもらえず。

 

えええ…どうしたらいいの…

泣きたくなるくらい前が見えず苦しかったです。

 

そんな時でも助けてくれるのが指導書。

(算数でも本当に助かりました)

 

藁をもすがる思いで担当するページを開き、自分のありったけの経験や知識を呼び起こし授業を組み立てていこうと決心しました。

 

選書をふりかえり、意識を学習目標に向けさせる

5年生最初の授業は「図書領域」。授業の流れは

 

日本十進分類法の理解→図書室で分類法を使った選書に取り組む 

 

です。

 

実は密かに図書館司書教諭の資格を持っていますので、見たとき「おおおお!!」と心が踊りまくりました。

 

指導書を読み進めるにつれて、

 

数回程度しかない貴重な図書単元をやるんだから分類法の利便性を伝えたい!

選書の面白さも伝えたい!

情報センターとしての役割もできれば〜

そうそう算数時代に心底学んだ「既存知識を引き出す問いかけ」を国語にも取り入れて~

 

 

凹み気味だった心が一気に前向きに変わりました(笑)

 

授業のイメージも固まったのでさっそく提示用スライドを作り始めました。

 

 

必ず悩むのは導入です。

自然に展開にまで引き寄せるにはどうするか。うーん・・・

 

考えた答えは

 

「選書のふりかえり」

 

今日までの間、みんなはどんな方法で本と出会ってきたか、本を選んできたか、を思い出してもらい、新たな選書方法に繋げることにしました。

 

提示用スライドを見せ、意見を聞くと

選書をふりかえろう

「友達におすすめを聞いた」

「なんとなく眺めて」(これが多かった)

「好きな本がある棚を知っているからそこを見る」

 

このような意見が集まりました。

 

その後日本十進分類法の存在と概要を伝え、簡単なオリエンテーションへと導きました。

 

選書の裏には引用への布石

展開は選書ですが、単に選書させるだけではつまらないので、

 

色々な分類から選ぶ

選んだ本は記録カードに書く

 

ことにしました。

 

図書室でもスライドを投影し、活動内容をいつでも見られるようにしました。

活動指示スライド

 

本の記録カード


カードにはちょっとした工夫を入れました。

 

本の題名や分類番号だけでなく、作者や出版社にも着目させています。

 

さて・・

 

なぜ私が作者や出版社まで書かせようとしたのかお分かりですか?

 

 

実はこれ、後に学習する「引用」につなげているのです。

 

 

自分の考えを証拠づける「引用」は、のちのレポートや論文等につながる重要項目です。

 

引用の手順に

「作者・出版社・発行年を記載する」

ルールがあります。

 

この時点では学習前ですが、せっかく本を選書するのだから

 

引用に必要な記述についても軽く触れさせておこう

 

と考えたのです。

 

 

でも子どもたちには説明せず、書いといてね、とだけ指示し、いつもと違う本を選ぶよう声かけし、思い思いに本に向き合ってもらいました。

 

学習のふりかえりと実践後記

振り返り付きワークシート

最後に、必ず振り返りをする旨を伝えました。

振り返りについては感想をベースとし、書ける子どもには深く追求するよう促しました。

 

なおワークシートに掲載したキャラクターたちは、広島県廿日市市民図書館が提供しているデータを拝借しました。

イマドキなキャラたちだったので、子どもたちに大変好評でした。

この場を借りて御礼申し上げます。

 

www.hiroshima-hatsukaichi-lib.jp

 

初めての国語の授業は概ね成功しましたが、ワークシートの配置や文言、子どもたちとの関係性もまだ最初だったので手探り状態。図書館の蔵書も知らない、学校司書さんとの連携もできずだったので、司書教諭としては行き当たりばったりな授業展開でした。

 

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