ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

青梅市国際理解講座 Viscuit夏期プログラミング教室2022

こんにちは。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

 

昨年から青梅市の国際理解講座の一環で夏休みプログラミング教室を担当しています。

 

国際理解講座はグローバル社会を生きる人材育成として主に英語に触れることを目的に1年間実施しています。

 

プログラミングは英語の構文理解、論理的思考の育成を図る観点から実施されており、今年はコロナ禍を考慮し人数は10人程度とし、Viscuitの基本操作を中心に講座を行いました。その様子をご紹介します。

 

 

1日目 プログラムの原理と動かし方

今年度は小学生はビジュアルプログラミング、中学生はテキストプログラミングでコースを分けており、私は小学生を担当。昨年好評だったビスケットを使いました。

www.viscuit.com

 

講座を行う前に、昨年度の内容についてブログを読み返しました。

ict-edulab.hatenablog.com

 

すると、課題の中にプログラミングの理論に触れたかったという一文がありました。

触れるだけ、体験するだけでもプログラミングの楽しさは味わえますが、少し理論を加えたいと思いましたので、ビスケットに触れる前プログラムの原理(順次・分岐・反復)について簡単な解説を行い、意識付けを図りました。

さっそくビスケットに触れてもらいました。

まずは絵を書いて、その絵を動かす手順を理解する練習をしました。

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メガネで命令する操作に、最初は戸惑う場面もありましたが直感的に操作できるようになると理解が早まってきました。

昨年はテントモードから通常モードに変えたら作っていた作品が消えたという事故が相次いだので、とにかく保存を促しました。



後半は回転動作と分岐処理を意識したプログラミングにチャレンジしました。

既に複数の絵を使ってアニメーションを作っているので、絵同士がぶつかったときどのような動きにさせるのか、タップしたらどうなるかを考えてもらい、イメージの実現に向けて作業しました。

 

2日目 音楽や美術に特化して

2日目は昨年あまり触れられなかった音楽と美術を実践しました。

前半は音階づくりをレクチャーし、自分なりの音楽を奏でました。

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ビスケットには単音ですが音を鳴らす機能があるので、鍵盤を書いてそこに音を乗せ、タップしたら音が出る仕組みを作りました。

単音なのに和音もできるのが私としてはすごいと思います。

 

後半は幾何学模様づくりにチャレンジ。

画像

回転やプログラム一つで正確な模様を描けるのはコンピュータだからこそ成し得るものだと感じます。

 

これには多くの参加者が反応しており、「やってみたい」「どうやって作ってるの?」の声が聞こえました。種明かしをすると早速取り組み始め、できたときは歓声が上がるほどでした。


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この日も保存を促しましたが、Chromebookのスクショ機能で録画する子も出てきたので、少しでも活動の証拠を残せるようフォローしました。

 

3日目 ゲームづくりと生活に活かすプログラミング

ここまでで十分基礎を学んだので、最終日はゲームづくりをしました。


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さすがに少しレベルが高かったのか質問が相次ぎました。

それでも一つやり方に気づかせると自ら予測を立ててプログラムを構成し、作品の完成を目指して頑張っていました。


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参加者の中には昨年参加した子もいました。

たった1年で見違えるほど上手な作品を作り出していて、子どもの成長を感じました。

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最後に、今回の体験を体験に留めず、生活に活かす、自分で課題を見つけプログラミングで解決を図ることについて説明して終了しました。

 

まとめ 成果と課題

まず成果です。

 

・深いプログラミングを体験できた

時間を増やしていただけたので、より深い部分にまで体験できました。

特に後半は制作に多くの時間を要する内容だったので、90分という時間でも足りないくらい、充実した制作ができました。

 

・プログラムの原理に触れられた

昨年実施できなかった「順次・分岐・反復」を説明できたのは良かったです。

活動の中で、様々な場面で「これが順次」「これが反復」というように具体例を用いて説明し、本質理解に取り組めました。

 

・興味関心を持ってくれた

全員前向きに取り組んでいましたが、先ほどの原理説明など理論にも意欲的な子もいました。

全員が全員プログラミングの道に行くとは思っていませんが、この中から一人でもこの世界に興味を持ち、将来につながるようであれば嬉しい限りです。

 

次は課題です。

 

・離脱者が出た

小学生と中学生で内容を分けてしまったため、テキストプログラミングについていけなくなった中学生が数名こちらに移動してくる場面がありました。来年は学年で分けず、レベルで分けることを検討するそうです。

 

・プログラミングの知識・技量不足

これは私自身の問題です。

時間講師での勤務に没頭し、プログラミングに対する意識が下がっていたこと、知識を使っていないため、伝えたい内容が明確にできないままでした。

この活動で再度重要性を見直し、「もっとプログラミング教育を普及させる必要がある」と強く感じました。

 

 

早速2学期から勤務校の担当学年で適宜プログラミングの授業を実施する許可はいただきましたので、実施計画を練っています。

また他校に勤務している先生から「やりたくてもどうしたらいいかわからない」のお声も受けましたので、プログラミング教育の意義や簡単な授業例を伝える講習会を提案したいと思います。

 

この3日間で、再びプログラミング教育への意欲が高まりました。

参加いただいた皆様、そして活動を支援いただいた青梅市国際理解講座の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました!

 

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