私はかつて小学校教諭1種免許取得のため通信制大学に本科生として在籍。
卒業後、すぐさま図書館司書教諭の資格を取るため科目履修生として再入学し2018年4月から1年間履修をしていました。
履修は無事すべての単位を取得し修了となったのですが、私がなぜ図書館司書教諭の資格も取ろうとしたのか、そこにはICTの活用に図書館の活用が大いに関わっていることにありました。
本科時代最後の1年間は、仕事の傍ら卒業論文と試験、教育実習というかなりキツイ日々でした。
そんな中、卒業論文は教員のICT活用における現状と課題というテーマで、現職の小中学校教員約100名へのアンケートを元に、ICTを指導上で有効活用するためのノウハウをまとめました。
論文の結論を執筆する時、私は支援員時代に伺っていたある小学校がタブレット端末を図書館に設置しいつでも調べ学習で活用できるようにした、という話やネット上で紹介されていた数々の事例を見ていくうちに、これまで図書とICTはアナログとデジタルで相反するものと捉えていた自分の認識が180度変わっていきました。
そしてこうした学校図書館とICTをもっと近づける必要があると考えるようになり、そのためには図書館に関する知識も学ぶべきと思い、司書教諭の資格を取るに至りました。
そこで「Big6問題解決」という一つの理論と出会いました。
Big6問題解決とは
Big6問題解決とはBig6 Skills Modelとも言い、調べ学習をする上で必要な手順を6つにまとめたものです。
私も含め、多くの人は調べ学習の流れを経験則でなんとなく進めていることが多いと思います。
たとえば
調べるテーマを決めて
調べてまとめて発表する。
それでもいいのですが、Big6はもう少し細かい段階として提示しています。
簡単にまとめると以下のとおりです。
①知りたいことを決める②調べる手順をまとめる③情報を収集する④情報を選ぶ⑤まとめて発表する⑥振り返る
※Big6 Skills Modelの概念についてはこちら
Big6問題解決とプログラミング的思考
Big6の考えは主に調べ学習を効率的に進めるために用いられていますが、応用すればリポートや論文の作成にも活用できると考えられます。
当たり前ですがレポートや論文も闇雲に書き始めるのではなく
設定された設題を読み取り
それに対するテーマを決め
調べる手段を決め
情報を収集選択し
序論本論結論にまとめて報告する
という一連の流れが存在します。
そう考えると、
Big6の基本理論は単なる調べ学習の手順合理化だけでなく、高校大学といった学習段階が上がることによって求められるリポートや論文執筆に応用できる。
それは物事を分かりやすく順序立てて考えたり論理的に組み立てたりすることにつながっている。
つまり
プログラミング的思考の育成にも一役買っている
と言えるのではないでしょうか。
Big6問題解決は図書館の視点から情報活用能力の育成を図る理論として提唱されていますが、プログラミング的思考との因果関係とその有用性はもっと広めていくべきではないかと考えています。
なお、調べ学習におけるBig6問題解決を簡単な図式としてまとめています。
Big6問題解決を用いた調べ学習の流れ(PDF)
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