ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

ICTを授業で用いるときに考えてほしいこと

こんにちは。ぐうぽんです。

 

よく「教科でのICT活用促進」が謳われていますが、見ていると、たまーにですが「あ、この授業ICTを無理やりねじ込んでいるな・・」と思ってしまうことがあります。

 

こうした、活用を目的にすることを「手段の目的化」と言います。

 

支援員時代からずっと、この「手段の目的化をやめよう」と訴えてきていますが、まだまだ後を絶たないようです。

手段の目的化の弊害

教科指導でICT活用を目的にすると、どんなことが起こるのでしょう。

学習目標がずれます。
授業の質が下がります。
子どもの理解が深まりません。

 

他にも準備の負荷や、やってみたのに結果が出なかった=ICTに対する苦手意識増幅などのデメリットがあります。

 

だから

無理に「使わなくちゃ」なんて考えないほうが、逆にいいこともあるのです。

 

手段の目的化を防ぐ、3つのチェック

それでは手段の目的化を防ぐにはどうすればいいのでしょう。
私の経験上から、3つのチェック方法をお伝えします。

 

1つ目は「指導書から活用を見いだせるか」です。

・指導する単元、授業にICTを取り入れたら理解は深まるか?
・具体的な活用場面がイメージできるか?

 

ここで「手段の目的化」が起こりやすいと感じます。
なによりも学習内容の理解を深めることが第一ですので、子どもたちの意欲を高めることや、アナログだと時間を要するけどICTなら時間短縮できそう・・といった具体的な活用イメージが浮かぶと、良い授業が生まれやすいです。

 

2つ目は「準備等の負荷」です。

ICTの活用にはトラブルがつきものですし、準備も慣れていないといつも以上に時間を要します。

 

・余計な手段になっていないだろうか?
・万一を考えた「バックアップ」は用意できるか?
(場合によってはICT支援員等専門家の力を借りられるか?)

 

予想以上のことも起こり得るので、授業においては常に細心の準備を払うことが大事です。

ネットが当日使えなくなった!なんていうのも普通にありますので、紙媒体も用意しておくなど、最善を尽くした準備をしておきましょう。

 

3つ目は「活用スキル」です。

 

子どもたちの活用スキルはどうですか。
指示した操作を、子どもたちができますか?

もしできないようなら、前もって練習の時間を取ることを勧めます。

 

同じく先生のICT指導のスキルはどうですか。
操作を自信持って行えますか?

 

操作の不安は、早めに解決しましょう。
操作に長けた専門家や先生にT2をお願いするなど、力を借りるのも一つです。
困ったらぜひ色々伺ってみてください。不安解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。

 

まとめると

学習課題の中にICTを入れられるかどうか。
入れたことで授業の質は上がるか。
学習意欲は高まるか。
トラブル等への対応は可能か・・
(これはプログラミングで言う「条件分岐」ですね)

 

流れがスムーズにできるなら取り入れる。
無理強いしてそう、と思ったらやめる。
そうしないと「ICT使ってみたけど準備とか大変だったし、管理も面倒だったから、やっぱり使わないことにしよう」となってしまいかねません。

実践前には常にこうしたチェックをしておきましょう。