情報を取得、編集、表現する手段を選択できる子どもを育てよう
こんにちは。所長です。
これはICT支援員時代のほんとに最後のあたりで担当校の先生にかるーくお話した一件です。
本当に望ましい子ども像とは、このことではないかと。
ということで、今回は情報活用能力の育成への提言と最終到達点について考察をしたいと思います。
情報活用能力について触れてみる
情報活用能力は、文部科学省が2012年に『教育の情報化ビジョン』の中で、学校教育の情報化に関する3つの側面として
①情報教育
②教科指導における情報通信技術活用
③校務の情報化がある
としています。
情報教育においては
(1)課題や目的に応じて情報を適切に活用し、主体的に収集・判断・処理・編集・創造・表現して発信伝達できる「情報活用の実践力」
(2)情報手段の特性理解と自らの情報活用を評価改善するための理論や方法を理解する「情報の科学的な理解」
(3)情報や情報技術が社会に及ぼす影響を理解し、望ましい情報社会の創造に参画する「情報社会に参画する態度」
を掲げています。
実際、果たしてどこまでこれが実現できているのか。というとどうでしょう。
まだまだ実態は伴っていないように感じられます。
彼らが大人になり、こうした能力を持ち得ることは非常に重要です。
高度情報化社会に生きる子どもたちが、あふれかえる情報の波に飲まれることなく、自らの意思で情報を読み取り、判断し、表現する力。
そして情報社会で表現することへのリスク理解。
表現する際、どのような手段を使えば効果的かつ効率的であるか。
この部分を確実に理解し、手段として用いることが、情報活用能力の最たる目的であると思います。
慣れるまで我慢
正直言って、子どもたちが操作等に慣れるには時間を要します。
そして学んだとしても、継続性がなければ忘れてしまいます。
忘れたことを思い出させるのにも指導が必要ですので、ICTを使いこなせるようにするためには相当な労力が必要です。
ですので総合等で時々実践するだけでは、定着は難しいです。
だから時数は余計にかかりますが、どこかで意を決して指導する必要があるのです。
指導したらなるべく継続して活用し、定着できるよう工夫しましょう。
簡単な操作なら数回で理解可能です。
といいつつも、授業で実践すると失敗ばかりではありませんか。
学校は社会へ出るまでの準備をする機関です。
ですのでいくらでも失敗したり試行錯誤してもいいのです。
もちろん情報活用能力についてもいくらでも失敗していいのです。
様々な経験を積むことで、実社会での失敗によるリスクを減らすのです。
子どもに任せてみよう
プログラミングについても、授業の中で使う道具(教科書、ノート)についても、先生が常に決めるのではなく、発達段階に応じて「任せる」のも一つです。
そうした委譲によって、子どもたちは自分に合ったツールを見つけたり、友達から新しいやり方を学んだりできるので、責任感も芽生えますしいろいろな手段を身につけられると思うのです。
NEE2021の中でも、紙の教科書を使っている子どもとデジタル教科書を使っている子どもの様子がありました。
最終的にはそういうことなんです。
結局は、
・課題を解決するにはどうするか
・どんなツールを使えばよいか
・自分にとって使いやすいツールはどれか
・使ってみてダメだったら他の方法を検討する
これが将来においても主体的に取り組める子ども像であり、目指すべき姿だと思います。
そのために先生は子どもたちに様々なやり方や手段を提示し、子どもが自ら「何を使ってどう表現するか」を判断できるようサポートすることが求められます。
そうした活動を繰り返すことで、自然と「主体的な学び」は身につくものと考えます。
自ら情報を取捨選択できる人材育成を
学校教育は社会を生きる上で必要不可欠な学びをする場です。
その中に現在ではICTも含まれるようになりましたので、学校における教育の負担は大きくなっています。
情報活用能力は学校だけでなく、普段の活用でも育成できます。
授業だけでなく日頃からIT機器に触れながら、どのようにすれば効率よく作業を行えるかを、大人とともに考え、そして最終判断を下してもらう。
こうした経験を繰り返すことで、自ら情報を取捨選択できるようになる。
そんな子どもたちを育成できるようにしたいものですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。ご参考になれば幸いです。