ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

学校教育でのICT活用

近年、ICTという言葉がよく聞かれるようになっています。学校教育でもICTの活用が謳われています。

ですが、そもそもICTとはどういうものなのか、そしてなぜ今、学校教育でのICT活用が求められているのか、今回はそのあたりをまとめてみたいと思います。

 

ICTって?


まず、ICTについて説明します。

ICTとはInformation and Communication Technologyの略称で、日本語では「情報通信技術」と言います。

よくIT(Information Technology)と比較されますが、ITは情報技術、つまりコンピュータ等の情報端末自体を指しており、対するICTはこうした情報端末にコミュニケーションを加えた造語です。

従って、ICTは

コンピュータやネットワーク等のITを使って人と人とが関わり合ったり、様々な課題を解決したりする手段と考えればいいと思います。


ICTが使われている具体的な事例



ICTはすでに社会に欠かせない存在であり、具体的な事例としては

・病院から離れた地域の患者と病院がネットワークでつながり、病院に行かなくても在宅で医療を受けられる
タブレットを使って作物の栽培状況を監視し、一番良い状態で収穫する
・バスが今どの停留所まで来ているのか、運行状況を把握できる
・電気ポットを使うと、指定された人にメールで連絡が入る(某魔法瓶メーカーのCMで有名ですね)

などといったものがあります。
つまり、社会を便利にする上で、ICTは大変有効的な手段と言えます。

 

学校教育でICT活用が求められている理由



学校教育でICT活用が求められている背景には、現代の知識基盤社会が関わっています。

知識基盤社会とは、これまでの知識重視だけで生きていくのではなく、

既存の知識や技能を用いて自ら率先して思考、判断、表現することで様々な社会問題を解決できる力が求められている社会のことを指します。

そして、こうした社会を生きるためには、世の中に溢れる情報の中から、

・主体的に情報を取捨選択し、分析、判断、処理し自らの言葉で発信伝達
・ネット犯罪など多くのネットトラブルから自らを守ることができる力

すなわち 情報活用能力 が大きく求められると言えるのです。


世界も重視する情報活用能力



この情報活用能力は、日本だけではなく、世界全体で求められている能力と言われています。

OECD経済協力開発機構)も、これからの社会を生きる上で必要な能力「キー・コンピテンシーの中に、テクノロジーを活用する力が定義されており、日本だけでなく世界的に見ても情報活用能力は最も求められる能力であることが伺えます。

参考出展:
OECDにおける「キー・コンピテンシー」について(文部科学省)


こうしたICTを学校教育で活用し、情報活用能力を育成するために、学校では日々様々な授業が行われています。
加えて2020年度からはコンピュータ等の仕組みを理解し、誰でも活用できる力を持たせるとともに論理的思考力の育成を図る「プログラミング教育」が小学校で必修化されます。

※プログラミング教育についてはこちらでまとめています。




2020年度から始まる新学習指導要領は、戦後最大の教育改革と呼ばれています。
学校教育は、今まで以上にICTを重視した活動や授業が行われる時代に突入すると言えるでしょう。