インターネットの普及により情報化社会となった現在、実は世界中で「デジタル・ディバイド」という新たな問題が起きています。
あまり知られていないこの問題についてお話します。
デジタル・ディバイドとは
デジタル・ディバイド(情報格差)とは
コンピュータやインターネットの普及に伴い、こうした技術を効果的に活用できる人とできない人の間に生じる格差
のことです。
デジタル・ディバイドは90年代以降その格差は年々大きくなっています。その背景には
・コンピュータが高価で購入できない
・コンピュータ自体に対する抵抗感がある
・インターネットの接続費用がかかる
などがあります。
つまり、デジタル・ディバイドはコンピュータやスマホ、インターネットに対する苦手意識を持っている人、
特に
・学歴が低い人
・収入が低い人
・機械関係に苦手意識がある女性や高齢者
がデジタル・ディバイドになりやすいと考えられています。
デジタル・ディバイドはどんな格差を生むのか?
それではデジタル・ディバイドがどのような格差を生んでいるのか。
特に一番大きい格差は「情報」による経済的格差です。
最近起きている経済的格差といえば、消費税の増税に伴う「キャッシュレス決済」ではないでしょうか。
キャッシュレス決済とはクレジットカードやデビッドカード、Suicaなどの電子マネーやQRコードで支払いをする方法で、現金を持たなくても買い物できるだけでなく、2019年10月からは消費増税の対策としてキャッシュレス決済をすると最大5%の利益還元をしています。
さらにPayPayやLINE PayといったスマートフォンによるQRコード決済を実施しているアプリを使えばさらに利益還元をしているところもありますので、こうした制度を活用すればお得に買い物ができると言えるでしょう。
他にもスマートフォンのアプリを利用することでクーポン等の割引特典を受けたり、ネット通販を使えば定価より安く購入できたりすることもありますので、ITを活用できる人は活用できない人より経済的恩恵を受けやすい傾向にあると言えます。
ITと言われる情報技術は既に社会や生活の中に溶け込んでいます。
そのためこれからの私たちはこうした情報技術を最低限使いこなす術を身に付けること、そしてテレビや新聞、インターネット等から発信される様々な情報の中から自らの意思で有益なものを選び活用できる力が強く求められてくると思います。
それは言い換えれば、自らの判断で情報を取捨選択して活用できる力。
【情報活用能力の育成と習得】
これは子どもだけでなく、すべての国民に必要ではないかと思っています。
デジタル・ディバイドがもたらす格差は大きくなっています。
もはや国家的な問題とも言われています。
これは大学の履修科目で学んだことですが、ある発展途上国では中古のパソコンを低収入の家庭に無償提供したりインターネットを整備したりしてデジタル・ディバイドの拡大阻止と国民の情報活用能力の向上を図っているそうです。
学校教育では既に10年以上情報活用能力の習得に向けて取り組んでいますが、その学習内容はまだまだ教科学習に比べて二の次、三の次の扱いになっています。
情報を取り扱う力は学力にもつながる最重要能力です。2020年からの学習指導要領でもその重要度は上げられました。
(詳しくは学習指導要領ってどんなもの?を参照ください)
これからは子どもたちが情報活用能力を身に付けるだけでなく、既に社会で活躍されている大人たちに向けて情報活用能力の重要性を伝える必要があるのではないかと私は考え、今後の研究所の主たる活動として取り組んでいくこととしました。
ぜひこの機会にデジタル・ディバイドについて興味関心を持っていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。ご参考になれば幸いです。