一人のICT支援員の関わりから見えたICT支援員のあり方
こんにちは。所長です。
今年度の振り返りを授業中心にまとめていますが、今回は教員の所長とICT支援員さんとの関わりについて書こうと思います。
現場の様子などが伝われば嬉しいです。
年度途中の運営会社交代
実は、私がかつて所属していた会社が長年の契約を終了し、2学期に撤退しました。
私も今の勤務校はかつての担当校で、ICT支援員として(それなりに)育てていただいた会社だったので、撤退の話を受けたときは衝撃でした。
理由は「Chromebookに対応できるソフトの開発は行わない」から。
所属会社は元々ソフトありきの契約なので、人材(支援員)はソフトに付随しています。
つまりソフトが入らない=派遣できない。
人材だけでも・・と教育委員会は訴えたそうですが固辞したそうで、結果交渉決裂となり、撤退ということに・・
今だから話しますが・・
この話はすでに昨年春あたりから小耳に挟んでおり、お世話になっていた納入業者さんが私に相談されるなど、裏では困っている様子でした。
心底「なにをやってるんだ・・」と思いましたし、契約を失うことは担当されている支援員の雇用先を失うことにもなりますので、この決断に至ったのは無念でしかなかったです。
ソフトを入れれば数千万円という大きなお金が動きますが、じゃあそんな大金をはたいて導入したけれど、日常的に活用できたのかというと、一人一台以前の環境では大手を振って言える状況ではなかったです。
だから今の時代、ソフト云々よりも
本当に現場に必要なのは人材じゃないかと思っています。
時代の流れを鑑みると、そこまでソフト契約に拘る必要はあるのだろうか、と思いますし、それよりも教員育成と同じように支援員さんも育成し、チーム学校の一員として長く勤務できるような環境作りを学校含め教育委員会も目指すべきなんじゃないか・・と思う次第です。
新たに来られたICT支援員さんと所長
さて、そんな混乱があった中で新たなICT支援員さんが来られました。
挨拶がてらお声がけし、自分が経験者であることをお伝えすると、担当校でどう振る舞ったらいいのか・・とお困りの様子だったので、簡単なノウハウをお話しました。
右も左も分からない状態だったようで、後日、大変役立ちました、他の担当校でも自信を持って提案できるようになりましたと笑顔で話してくれました。
時々訪問日に算数でICTを活用する場面が重なれば支援をお願いし、少しでも役割を持たせるように配慮しました。
すると徐々に支援の回数も増えたようで、職員室にいる時間が減っていったのは良かったと思いました。
仕事がないと、自分の存在価値を揺るがされるので、そのあたりのメンタルケアは結構大事だなと感じました。
お別れに伝えたこと、伝えられたこと
3学期は私も多忙でしたし、支援員さんも各学年から支援をいただいていたのであまり関われませんでしたが、私の勤務校変更に伴い、最後にご挨拶がてらお話をしました。
現状を伺うと、
・研修が不十分
・マネジャーはいるが、研修・育成をしてくれない
・自分が最上位に位置してしまい、何も学んでいないのに後輩が来てしまうことへの不安・・
話を傾聴しつつ簡単な助言とともに、ちょうど今読んでいる熊本大の前田先生の本を紹介し、役割を明確化することをお伝えしました。
所長から、ICT支援員さんと先生へ
GIGAスクール構想で先生方からの支援員に対する期待も上がる一方、当の支援員さんは、私の時代以上にもしかして見えないプレッシャーに押しつぶされているのではないだろうか・・と少々気になりました。
そんな私から伝えるとしたら、
どんなにひっくり返っても、できることは限られます。
求められていることに対して背伸びするよりも、今やれることをできる限りやってください。
先生方は授業のサポートをしてもらえるだけで十分満足しています。
経験は場数を積めば徐々に高まるので、頑張りすぎず、担当校のニーズに合ったご支援やご提案をしていってください。
これだけで、きっとICT支援員という仕事は楽しめるんじゃないかと思います。
私も算数で手の届かない部分をフォローしてもらったとき、いつも以上に授業がスムーズにできました。
重ねて、先生方にお伝えしたいのは、
ちょっと操作が不安だな、キツイな・・というときは、支援員さんに入ってもらうと、全然違ってきます。
授業の展開と指導に注力することが先生の仕事ですので、ICTの指導はICT支援員さんにおまかせしてしまいましょう。
T.Tによる役割分担こそが、これからの授業だと思います。
ということで、とりとめのない文章ですが最後までお読みいただきありがとうございました。
ICT支援員さん、来年度も引き続きよろしくお願いいたします。