こんにちは。所長です。
今年度担当した小2算数。
1年間実践してみて、ICTの効果を感じた事例をご紹介します。
今日のテーマは「はこの形」です。
※使用教科書:学校図書
はじめに
まずはじめにお伝えしたいことがあります。
ブログ「低学年の学びとICT - ICT教育推進研究所の研究室」でも書きましたが、低学年の算数は具体物を使った「体験」が主体ですので、ICTの活用する場面を作ることが難しかったです。
そのため、色々実験的にICTを用いてみたものの失敗した事例も多々あります。
ここではPowerPointと板書等による事例をご紹介し、失敗事例については後日まとめます。
箱から展開図への変化をPowerPointで
ここでは、箱がどのような概念で構成されているのか、を中心に理解する単元でした。
3年生以降で展開図を学びますので、ここではあくまで展開図の1つ手前までの理解にとどめています。
私はまず、箱は立体だけど開くと平面で構成されていることを理解させたいと考えました。
なぜなら、数年前担当した4年生で、どうしても箱から展開図になる様子をアニメーションで表せず、教科書のイラストをそのまま提示する指導をしてしまい、その悔いが残っていました。
(箱から展開図になる様子が、アニメーションで出来ないだろうか・・)
そう漠然と考えていたら、4年生の先生が箱から展開図に変えるアニメーションを作っていたので、やり方を学ばせてもらい、あのときのリベンジを目指しました。
フェードとフェードアウトを組み合わせて作りましたが、思うように行かず結構苦労しました。
苦心の末、実際箱から展開図へとアニメーションになったとき、思わずガッツポーズしてしまいました。
PowerPointを児童に見せたところ、「えええ?」と驚くと同時に、箱は開くと平面になることを映像から伝えることができました。
どの単元であれ導入はとても重要な場面と考えていますので、このアニメーションが学習への大きな足がかりとなりました。
切って、貼って、箱を作ろう
活動は本題に入ります。
箱の構成を知るために、箱の面をすべて画用紙に写し取り、これらを切り取ってテープにつなげ、実際に箱を再現させる活動をしました。
ここから面の数が6つ、ペアになる面が3つずつという基本概念に気づかせました。
展開図から立体化する教材とのコラボ
次の時間では箱の構成を理解するので、アニメーションよりも実物のほうがいいと感じました。
なにか面白いものがないかなーと教材室を探ったら、
見つかりました。
これは強力マグネットで面と面を接続し、実際に箱を作れる教材です。
面をつなげると、直方体が出来上がります。
6つの面を児童に1つずつつなげてもらったのですが、1人が考えていると周りから指示が上がるなどかなり盛り上がり、箱が出来上がると拍手と大歓声になりました。
そして再び開いて面の数やペアを確認するとともに、組み合わせ方についても考察する機会を設けて、のちの展開図へとつなげられました。
立体化する箱は、いつも授業前や終了後の人気者でした。
基本的な展開図だけでなく、数名の児童が様々なパターンを試行錯誤し「これもできる!」「これでもいけるよ!」と見つけ出していたのが印象的でした。
評価のワークテストでも半分以上がB判定以上の結果を出したので、アナログとICTのコラボが上手く行けた単元になりました。
まとめ
今単元では最初から「箱のアニメーション」をイメージしており、それを具現化することがすべてだと思っていただけに、実現できたことが何よりも大きな収穫でした。
実際のPowerPointアニメーションはブログ公開ツイートに追加しますが、このたった一つの動きが、箱の構成や概念理解へと結び付けられたこと、児童の箱に対する興味関心を高められたのは自分なりに評価できたかなと思います。
しいて言えば、立体化する箱が一人ずつ動かせたら構成をもっと深く追求できましたね。
そんな教材が生まれたら、楽しいと思います(^^)
まとめると
図形領域はICTの強みを活かせる
という結論でした。
最後までお読みいただきありがとうございました!
ご参考になれば幸いです。