ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

小2算数 しきつめをやってみて思うこと

こんにちは。所長です。

 

久しぶりに授業でICTを活用しましたので、そのレポートをご紹介しようと思います。

 

 

撤収寸前のWindowsタブレットと教材たち

現在、担当する小学2年生算数では三角形と四角形の単元をしています。

その最後にしきつめを体験する授業があります。

 

ICT支援員時代、しきつめができる最高のコンテンツ教材があることを知っていましたので、絶対使おう!と決めていました。

 

しかしかつて導入されていたWindowsタブレットChromebookの配布により今夏で撤収が決まっており、使えるかわかりませんでした。

 

パソコン室を覗くと、端末たちはまだありました。

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管理職の先生、ICT担当の先生に確認すると、使っても大丈夫との返事。

 

さっそく環境整備に取りかかりました。

 

人数は20数名分。

ログイン、充電、起動と動作の確認を放課後を使って黙々と作業しました。

 

数台CMOSエラーは見受けられたものの稼働に問題なし。

 

心の中で「頼む、最後に一花咲かせてくれよ」と願いました。

 

指導計画を考える

担任の先生に、明日はタブレットを使う旨をお伝えすると、了承いただくものの「作図が定着できていない」点を指摘されました。

 

確かに線と線がつながっていない、線が曲がっている等の問題がまだ残っており、当初デジタルだけで行こうと考えていましたが、指導計画を変更。

 

前半は教科書でアナログでの作図、後半はデジタルでの作図に計画を変更しました。

 

自分のクラスだけではもったいない、と思い、隣のクラスの先生にも「やりませんか?」とお誘いの手紙を残し、当日を迎えました。

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実践、そして私と担任の先生の所感は

出勤すると、隣のクラスの先生から「ぜひ!」のお返事が。

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急遽時間割を変更し、私の空き時間に隣のクラスでT.Tの形で実施しました。

ちょうどこの日はICT支援員さんもいたので、支援をお願いしました。

 

使用した教材は「学習探険ナビ」の「もようをつくってみよう」です。

 

最初に自分のクラス。

アナログでの作図を約10分設定し、直線描画の定着を徹底させました。

うまく書けない子どもには1マスの正方形を上下3個ずつ書かせ、できるようになったら長方形や直角三角形へとつながせました。

 

普段つまづく子たちもやることがわかると飲み込みは早く、徐々にエンジンがかかってきたように感じました。

 

そして後半はタブレットで。

操作方法を説明し、自由に作ってもらいました。

 

ここでも正方形からスタートし、慣れてきたら長方形や直角三角形にチャレンジしました。

 

隣のクラスでも同様に進め、和気あいあいとした一種の「ご褒美」ができました。

 

参加くださった算数を専門とする担任の先生が珍しく

 

「これはいい!折り紙準備するのが大変だったんだけど、簡単にできちゃうんだね」

 

と太鼓判。

 

授業が終わっても「やりたい!」声が続出だったので、担任の先生が後日時間を取ってまたやってくださるそうです。

 

もう一クラスでも同様に実践し、ここでは前半を担任の先生、ICT部分を私が担当しました。

 

実践して感じたことは以下のとおりです。

 

普段作図につまづいている子どもがデジタルになると、いとも簡単に模様をしきつめていた。

 

しきつめを利用したドット絵作成をする子どももいた。

 

クラスによって、担任の先生の色合いが大きく現れる。

 

どれも支援員時代に強く感じた印象でした。

 

定規を使って線を引くという操作は、子どもによっては結構至難の業のようです。

 

線を引こうとすると定規がずれる、引く力が足りなくて曲がってしまうように見受けられます。

 

それでも練習を積み重ねれば書けるので、「できた」体験をもっと増やしたいなと思った次第です。

 

そして何より、ICTを使うとあれだけ苦労していた作図がタッチ一つでできるため、自ずとしきつめへ意識が向き、アナログでは表現できない、子どもたちの内なるデザイン力が表出するのですから驚きです。

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ですので、ICTで表された作品を見て初めて「なるほど、この子はこんな表現をしたかったんだ」と気づけるのです。

 

他にも普段ノートも書かない落ち着きがない子も、タブレットになると集中が高まり静かに取り組めるのも、ICT支援員時代から変わらない一つの傾向だなーと思いました。

 

アナログだと時間がかかるけど、デジタルなら失敗を恐れなくていい。

 

発想も広がるようで、アナログでは考えつかないようなデザインも生まれました。

 

もちろんアナログにも美しく書こうとする意識付けや、コツコツ書き進める集中力を養いますので、私はどちらにも良さがあると思います。

 

実践を通して両者の大切さに気づけてもらうことも、この授業の隠れた目的と、私は位置づけています。

 

後世に残したいコンテンツ

さて、授業自体はほぼ成功し、満足なのですが一つ気になることがあります。

 

利用したコンテンツがこの先使えないことす。

 

本来であれば夏に撤収されているタブレットであり、利用はできないと思っていました。

 

それがたまたままだ撤収されていなかったため、運良く活用できただけです。

 

しかしこれだけ利用価値が高く、今後も活用したいと願っていても、使用期限が迫っていることを鑑みると、

 

普遍的に活用できる「後世に残したいコンテンツ」の整備

 

が必要と感じます。

 

私は技術者ではないので作れませんが、これからの子どもたちが、同じ単元で、同じようにこれらのコンテンツに触れ、一つの体験を通して何かを得られるってすごく大事な気がします。

 

これまでもいいコンテンツがあっても、技術面の問題で泣く泣く使用を諦めました。

特にFlashの終了は大きな損失でした・・。

 

今後学習はかけ算になりますが、かけ算といえば「勇者計算騎士ナリガイガー」や「かけ算ファイターさが」が有名ですがFlashのため使えなくなりました。

 

ですが調べてみたら、「さが」はプログラミング言語を変えてリメイクされているとのこと!!

 

land.toss-online.com

 

これは今後の活用への明るい光になりそうです!

 

コロナによるリモート学習、一人一台時代に突入し、デジタルコンテンツの必要性がますます高まっています。

素晴らしいコンテンツができる限り長く使えることを心から願っています。

手順書は極力残しましょう

こんにちは。所長です。

 

今週は勤務校の先生に色々ヘルプを求められる1週間でした。

そんな中で一つ思ったことを書きたいと思います。

 

 

やり方を教えても時が経てば忘れます

それは高学年の先生からで、

「Classroomの提出物をクラス全員で見られるようにしたい。1学期にやり方教わったんだけど忘れちゃって」

 

よくあるお話ですね。

 

ICT支援員さんに聞いたか、やってもらったらしいのですが、その手順を忘れてしまった・・

 

そこで私に質問が来たようです。

 

先生一人でも実現できる環境づくりもICT支援員の仕事

とりあえず時間の合間をぬって調べてみましたが直接的な解決には至れませんでした。

そこは自分の力不足だと感じています。

 

ですがそれ以前に、手順書を残しておくべきじゃないかなと思うのです。

 

質問があって、対応する。仕事としてはもちろんそれで十分です。

 

ただ、今回のように数カ月後また同じことをやってみたい、というケースも結構多かったりします。

 

その手順を支援員さんしか知らないでは、先生のスキルも定着しないので意味がないと思います。

 

大切なのは、支援員さんがいなくても同じ環境が構築できること。

だから先生方のスキルを向上させる上でも、

 

・手順書を極力残す

・他の先生にもシェアできるようにする

 

ことが大切かと思います。

 

手順書づくりって正直言って結構面倒です。

けれどそれが学校の財産にもなりますし、支援員がいなくてもそれさえあれば他の先生の助けになりますので決して無駄にはなりません。

 

むしろ活用につながります。

 

苦言を呈するのはあまり好きじゃありませんが、ICT支援員さんにはぜひともこの部分を意識して活動してほしいと思います。

ひっそりと思う、情報教育の重要性

こんにちは。所長です。

 

公立小学校で教科指導をする毎日の裏側で、ICTに関しては端末の一人一台活用が広がっており、ICT支援員時代の「こうなったらいいな」が実現したことに喜びを感じています。

 

しかし利活用についてはまだまだ課題山積で、そこについても考えていきたいところですが、立場上、今年は自分がそこにほとんど携われていない状況です。

 

そんな毎日を送る中で、研究所設立前から思っていたことが再び沸々と湧き上がってきているのです。

 

 

情報教育は学校教育だけが行うもの?

生涯学習で情報教育を行ってみたい。

 

これを一つの目標と決めたきっかけは大学での履修でした。

 

生涯学習は私が一番最後に履修した科目でした。

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こうした科目が必修だったのも通信制大学だからなのでしょうか。

 

その中で私は、今の自分が学校教育ばかり見ていて生涯学習への視点が全くなかったこと、そして生涯学習がまだまだ広がっていないことへの危機感を感じるようになりました。

 

生涯学習リカレント教育

まず生涯学習の概念からお話すると、生涯学習とはその名の通りで、学校を卒業しても人間は常に学び続けることが必要である、とする理念です。

 

その際たるものが「リカレント教育」です。

そちらについてはnoteでまとめていますので参照ください。

 

note.com

 

さて、話を戻しますが、なぜそのような思いをもつようになったかというと

 

・学習指導要領に情報教育が盛り込まれたのは1988年からであり、それ以前の指導要領で学んだ子どもたち(今の40代より上)は情報教育を学校教育で深く学んでいないこと

 

 ・今の子どもたちは学校教育で素地があるけれど、社会に出てもさらなる学びは必要ではないか

 

そう思ったからです。

 

情報から身を守るため、危険に晒されないための情報教育

今年から本格導入されたGIGAスクール構想で、一人一台となったことで操作や活用によるトラブル等も起きている(はず)です。

 

SNSが発達し、個々人が思ったことを世界全体に語ることが可能となった現代。

しかしその一方で語ることによるリスクについては結構無知だったりします

(私もこれを書いていて自責の念があります)。

 

情報を発信すること、受信することが容易になった今だからこそ、情報教育は重要度を上げています。

 

現行の学習指導要領で情報活用能力が学習の基盤の一つにまで上がったのも、情報教育への重要度の表れと捉えています。

 

子どもが日常的に情報と関わっているのに、それを指導する保護者や教師が危険性を伝えられないとしたら・・・

 

それは大きな問題だと思うのです。

 

情報の危険性から身を守り、情報を効果的に取り扱うために、

 

リカレント教育の一つとして、情報教育を取り入れるのは必要だと思うのです。

 

生涯学習に情報教育を

学習指導要領に記載がなかったことで情報教育を学んでいない世代

学習指導要領に記載があったものの、深く情報教育を学んでいない世代

 

いずれにせよ何らかの形で学び直しって必要だと思います。

 

情報の取り扱いに関する知識を持つこと。

そして情報に対する冷静な目を持つこと。

 

だからこそ生涯学習の観点からも情報教育を伝えてみる必要性があるのです。

 

そんな情報活用能力で言う「情報社会に参画する態度」を学ぶ講座を企画しています。

(最後はちょっと宣伝・・^^;)

 

【活動報告】青梅市 国際理解講座でのプログラミング講座

こんにちは。所長です。

 

8月17日から19日の3日間、青梅市国際理解講座の一環として、プログラミング講座が開催されました。

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その講師を務めましたのでそのレポートと、成果と課題についてまとめます。

 

 

 

「プログラミングを体験させてほしい」

ご依頼は、昨年度お世話になった勤務校の先生からでした。

 

夏休みの3日間を使って、プログラミング講座を開きたい。

そこの講師をお願いしたい。

 

 

もちろん快諾しました!

 

打ち合わせで詳しく伺うと、

 

・市内の小中学生が対象

・1回1時間を3日間

・基本操作だけで十分。体験がメイン

 

 

という感じでしたので、一番とっかかりやすい「Viscuit」で行くことにしました。

 

3日間という、これまで経験したことのない長丁場なので、どのあたりまで押さえようか、とかをバイブルである「ビスケットであそぼう」を見ながら検討し、当日に臨みました。

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トラブル続出!WiFiつながらない!

当日は大雨と気温が低く、季節外れの天気でした。

 

会場に到着し、ご依頼いただいた先生含め数名のスタッフさんとご挨拶して準備をはじめました。

 

ぞろぞろと会場に到着する小学生たち。

 

全員が学校から貸与されているChromebookを持参。

 

一人一台が定着しつつあって、なんだか微笑ましく思いました。

 

参加者は小学生20数名。中学生10数名。

 

田舎な町ですが、プログラミングに対する期待の高さが伺えます。

 

しかしここでトラブルが。

 

子どもたちが持ってきたChromebookが施設側のWiFiに接続できない!

 

読み解くとこのような流れでした。

・施設側のWiFiに接続するには認証手続きが必要

・手続きにはTwitterFacebookGoogle等のアカウントやメールアドレスが使用可能

・送信すると認証できて接続完了

 

 

まずGoogleで入ろうとしましたが、エラーでアウト。

次にメールアドレスを入力。これもだめ。

 

ここで気になったのは、子どもたちのログインにメールアドレスが使われているはずなのに、なぜだめなのか。

 

主宰の先生経由で教育委員会に確認を取りました。

 

すると

 

「あれはメールアドレスではないんです」

 

との返事。

 

見た目はメールアドレスでも実際にメールは受け取れないらしいのです(ええぇ~)。

 

結局、施設側のWiFiは使えないと判断し、持参していたポケットWiFi等に接続してスタートしました。

 

小学生の部の初日はここに費やされ、ほとんどできなかったのです。

 

 

 

子どもたちの表現力の高さに脱帽!

初日のドタバタを挽回すべく、2日目はガンガン進めていきました。

 

まず機能を紹介し、魚を使った練習。

 

ここでどのように配置すると、どのように動作するのかを体感的に理解してもらいました。

 

慣れてきたら、ぶつかったときの動き、そしてクリックしたときの動きへと発展させ、さらなる深いプログラミングを実現させていきました。

 

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やっぱり子どもたちの発想力はすごいですね。

ちょっとしか教えていないのですが、コツを掴んだら一つの作品をあっという間に作り上げるのですから。

 

中学生の部では初日で基礎を理解したので、音階や模様作りなど少し高めの内容をお話し、実践してもらいました。

 

 

最終日はどちらも作品作りに費やし、サーバへどんどん保存してもらいました。

 

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昨日途中まで作り、家に帰ってさらに続きを作った子。

 

私が「すごくいいから、もっと動きを細かくして本格的なアニメーションにしてみたら?」とアドバイスしたら、作品を完成させただけでなく、その制作過程を動画にしてClassroomにアップしてクラスの友達からたくさんコメントをもらった子。

 

いやはや私の想像を超えてくる活動ばかりで正直驚きました!

 

非常に前向きに取り組む子どもたちだったので、講師をしてよかったと思いました。

 

最後に、私からプログラミングの役割、そしてプログラミングを通して社会を変えてほしいというメッセージを送ってお開きとなりました。

 

 

3日間を振り返っての成果と課題

単発の講座は経験していますが、3日間というのは初めてでどうなるかと思いましたが、回が進むにつれて子どもたちと関係性もできてきて、結構楽しく行えました。

子どもたちも最後感想を聞くと「楽しかった!」と言ってくれたのでホッとしています。

 

講座を振り返り、まず成果としては

・プログラミングの導入ができた

・参加者の意識が高く、率先して色々な機能に触れてくれた

・一人一台端末が実現したので、プログラミングを身近に体験できた

 

 

一方で課題もありました。

・施設側のWiFiが利用できなかった(ここは改善が必要かと・・)

・中学生についてはテキストプログラミングに挑戦させてもよかった

・順次、分岐、反復といったプログラミングの理論も伝えたかった

 

こうした課題を次回に活かしていこうと思います。

 

Viscuitは学校でも実施しているようですが、深く学ぶ機会はなかったようです。

今回の講座がViscuitの認知につながったなら嬉しい限りです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

ICT支援員の資質能力を考える

こんにちは。所長です。

 

先日、あるフォロワーさんのツイートが目に止まりました。

 

 

うんうん、とすごく頷きました。

 

特に響いたのは、「ビジネススキルが足りていない支援員」。

現場にいて、それを特にここ数年感じます。

 

今回はICT支援員の資質能力について考えてみようと思います。

 

 

最近よく見るICT支援員の行動

教員になって1年ちょっと経ちますが、どうも最近の支援員の行動が気になるのです。

 

私のときはこう教えられました。

 

・常に前向き。先生への提案を率先する

・授業支援だけでなく校務支援もたまにする

・先生と積極的にコミュニケーションを取る

 

 

しかし最近お見かけする人を見ると

 

・基本的には職員室またはパソコン室で黙々と作業している

・授業支援はするときはする(言われたらやる感じ)

・先生方とあまり関わらない

 

なんだかとても不思議でならないのです。どうしてそれでいいのかと。

 

ICT支援員の方向性が明記されたけれど

これはいろんなところで議論されてきた部分ですが、先日ICT支援員のサービスに関する規定が策定されたニュースが出ました。

 

edtechzine.jp

 

これでようやくICT支援員の活動方針が決まるのかな?と思っていますが、まだまだここについては運営会社や教育委員会等によって差があるのは否めないところ。

 

ただ、学校に地域性や特色があるように、学校の先生にも地域性や特色があります。

 

なので支援員についてもあまりガチガチな取り決めをするよりも、地域性や特色に合わせる、いわゆる「柔軟性」が必要なんじゃないかな、と思っています。

 

「コミュニケーション能力」と「空気を察知する力」 

私の地域の小学校は田舎ということもあり、基本フレンドリーですので作業に徹していても先生から声をかけてくださるので、そこからコミュニケーションが図れます。

 

ですが地域や学校によってはそうではないところもあります。

そこで上記のような行動をされると、孤立してしまうような危機感を感じます。

(お節介かな?)

 

ちなみに私なら

 

「近寄りがたい」「声をかけづらい」「お願いしにくい」

 

と感じて、聞きにくいなあと思います。

 

 やっぱり一つの学校を担当するわけですから、その学校の先生方と積極的にコミュニケーションを図ってほしいと願うのです。

 

それに加えて、私が特に必要だなと思うのが、「空気を察知する力」。

 

職員室で作業していても、常に耳だけは周りに意識を置き、遠くでなんとなく操作で困っている声が聞こえたならば、そっと先生にお声がけする。

そして相談に応対する・・

 

はじめは先生方の輪の中に入るって、すごく勇気がいることだと思います。

 

でも困っている声が聞こえるのに、見て見ぬ振りをしているって心苦しくないですか?

 

せっかくの活躍のチャンスを逃すのってどうなの?と思うのです。

 

支援員の面白さ、醍醐味って、感謝されることだと思うんです。

 

まとめると、ICT支援員に必要な資質能力にはビジネルスキルもそう、ITスキルもそう。

 

そして

 

コミュニケーション能力と空気を察知する力

 

ここが肝だと思います。

 

 コミュニケーションが新たな道を切り開く

 先日、たまたま打ち合わせ先の学校で後輩の支援員と再会しました。

 

実は彼が支援員として活動できるのは契約上あと半年ほど。

そんな近況報告の中で、独立の相談を受けました。

 

どうも私に影響を受けたようなのです。。。。。。(えぇぇ~~~!)

 

そこでアドバイスして思ったのは、

 

学校の先生とコミュニケーションを取っておくと、そこから新たな道が開かれることがある。

 

学校の先生とコミュニケーションを取っておくと、思いも寄らない支援をもらえることがある。

 

だから、

 

とりあえず仕事だから、とか

とりあえずやることだけやっておけばいいんだ、とかではなく、

 

せっかくの出会いなのですから、ぜひ先生方と率先して関わってほしいのです。

 

私もGIGAスクール構想になってから、あまり情報収集する時間が取れないこともあって色々聞きたいなーと思ってるくらいです。

 

でも、「聞いてくるな」オーラが感じられると、引いてしまいますよね。

 

常に門戸を開けておく姿勢って大事だと思うんです。

 

まとめ

研究所を立ち上げてみて、時々「ある先生の紹介で~」とお話をいただくことがあります。

 

だから支援員時代にコツコツやったことや、積極的に話の輪に入ったり、相談に乗ったことが今になって違った形で返ってきているのかな?なんて思います。

 

人とのご縁は、何らかの形で現れることもあります。

 

特にこの夏休みは、先生方との関係構築する絶好のチャンス!

2学期の授業支援や、お困りごとを解決して、信頼を勝ち取ってくださいね。

 

 

最後に、後輩さんのHPをご紹介します。

授業で即活用できる素晴らしい教材たちなので、ぜひ一度ご覧になってください。

 

omestyle.tokyo

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご参考になれば幸いです。

ICT支援員のモチベーションを保つヒント

こんにちは。所長です。

 

私はICT支援員になる前、IT企業に8年ほど勤めていましたが、ICT支援員はざっくり10年。

今思うとよくそんな長い期間やれたものだなぁと思います。

 

この世界では「ICT支援員の在職期間は3年ほど」と言われています。

 

確かに過去関わった人たちの多くは3年くらいすると退職していました。

下手をすると半年も持たない人もいました。

(こうなると現場は混乱する訳で・・)

 

今回は私が長く続けられた背景、「ICT支援員のモチベーションを保つ」について考えてみようと思います。

 

 

実はコミュ力皆無の支援員

ICT支援員というのは、パソコンの知識技術もそうですが、コミュニケーション能力も求められます。

 

私自身を省みると、パソコンの知識技術はそこそこあってもコミュニケーション能力はそれほど良くはなかったです。

 

多分今の私しか知らない方は驚くと思いますが、元々は人見知りであまり人と関われない、引っ込み思案の性格です。

 

それでも長く続けられたのには、このようなことがあったからだと思います。

 

学校の先生方の優しさ

とにかく私の場合、いろいろな好条件が重なっていました。

研修期間に1ヶ月もいただけたことでじっくり環境の勉強ができたこともそうですが、一番はおそるおそるだった私に現場の先生方がどんどん声をかけてくださったことです。

 

一人で学校に行くというは、初めての人にとってはかなりなプレッシャーです。

行ったらなんかしらの結果を残さないといけないし、といっても誰に話しかければよいのか・・など不安だらけです。

 

まずは管理職の先生や情報担当の先生を中心に行動していけば問題はありません。

 

そして私の場合、担当校の多くがウェルカムな学校でした。

こうした学校は、本当になんでも声をかけてくださいます。

 

「お茶でも飲む?」「これおいしいわよ」などなど、ちょっとしたタイミングで声をかけてくれました。

そのおかげで、私は徐々に自信をつけることができましたし、次の理由につながる行動が増えてきたのです。

 

とにかく感謝された

私はかなり承認欲求が強い人間なので、認められないと自分の存在価値を失うほど落ち込みます。

一日何もしない日も沢山ありましたが、そんな日は「自分なんて・・」と車の中でジメジメ思い悩んでしまうほどです。

 

本来、ICT支援員はICTに関する相談をいろいろな方向から受けます。

そこで解決策を先生に伝えると「すごーい!」とか「相談して良かったわー」などなど、とにかく感謝されるのです。

 

この一連のやりとりが、承認欲求を欲する自分として、ものすごく心に響いたのです。

 

仕事をしていて「ありがとう」と言われることって少ないと思うのです。

だから支援員の仕事って、すごく恵まれている仕事だと思うのです。

 

自分の知っている知識や技術を伝えるだけで、先生方に感謝される。

子どもたちはどんどん能力を伸ばして、様々な可能性を見せてくれる。

 

 長く関わっていくと、「あの全然ダメダメだった子がここまでやれるようになるなんて・・」と、まるで我が子の成長を見ているようになって涙が出ることもありました。

 

私の場合、やっぱりこの「感謝される」が、一番のモチベーションを保てた要因だと思います。

 

複数の学校を見ることで存在価値の確認

あとは担当校が1つじゃなかったことも長く続けられた要因と思います。

 

1つの学校だと、その学校しか見えませんので、いい部分も悪い部分も見えてきます。

 

馴染みやすい環境であれば良いですが、そうとも限らない環境もあります。

そんなとき、他に担当校があれば息抜きではありませんが「今日は○○だから」とモチベーションを保つことができました。

 

まとめ

モチベーションを保つ方法は人それぞれなので、あくまでこれは私の経験です。

私の場合は多くの先生に頼られたから、頼ってもらえたから長く続けられました。

 

かつての自分を振り返ると、本当に一喜一憂する毎日で、今の自分じゃ続かないかも・・なんて苦笑いしてしまいます。

 

やっぱり支援員になったからには、「やっててよかった」って思いたいものです。

 

それには、やっぱり伺うからには相談なり仕事なりをいただきたいものです。

 

ICT支援員が活躍する学校。

それは学校にとっても、子どもたちにとっても絶対に有益になります。

ですのでICT支援員はもっともっと活用されるべきです。

 

 

みなさんにとってのモチベーションを見つけてみてくださいね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご参考になれば幸いです。

情報を取得、編集、表現する手段を選択できる子どもを育てよう

こんにちは。所長です。

 

これはICT支援員時代のほんとに最後のあたりで担当校の先生にかるーくお話した一件です。

 

本当に望ましい子ども像とは、このことではないかと。

 

ということで、今回は情報活用能力の育成への提言と最終到達点について考察をしたいと思います。

 

 

情報活用能力について触れてみる


情報活用能力は、文部科学省が2012年に『教育の情報化ビジョン』の中で、学校教育の情報化に関する3つの側面として

①情報教育

②教科指導における情報通信技術活用 

③校務の情報化がある

 

としています。


情報教育においては


(1)課題や目的に応じて情報を適切に活用し、主体的に収集・判断・処理・編集・創造・表現して発信伝達できる「情報活用の実践力」


(2)情報手段の特性理解と自らの情報活用を評価改善するための理論や方法を理解する「情報の科学的な理解」


(3)情報や情報技術が社会に及ぼす影響を理解し、望ましい情報社会の創造に参画する「情報社会に参画する態度」


を掲げています。


実際、果たしてどこまでこれが実現できているのか。というとどうでしょう。

まだまだ実態は伴っていないように感じられます。


彼らが大人になり、こうした能力を持ち得ることは非常に重要です。

 

高度情報化社会に生きる子どもたちが、あふれかえる情報の波に飲まれることなく、自らの意思で情報を読み取り、判断し、表現する力。

そして情報社会で表現することへのリスク理解。

表現する際、どのような手段を使えば効果的かつ効率的であるか。


この部分を確実に理解し、手段として用いることが、情報活用能力の最たる目的であると思います。

 

慣れるまで我慢

正直言って、子どもたちが操作等に慣れるには時間を要します。

そして学んだとしても、継続性がなければ忘れてしまいます。

忘れたことを思い出させるのにも指導が必要ですので、ICTを使いこなせるようにするためには相当な労力が必要です。

 

ですので総合等で時々実践するだけでは、定着は難しいです。

だから時数は余計にかかりますが、どこかで意を決して指導する必要があるのです。

 

指導したらなるべく継続して活用し、定着できるよう工夫しましょう。

簡単な操作なら数回で理解可能です。


といいつつも、授業で実践すると失敗ばかりではありませんか。

 

学校は社会へ出るまでの準備をする機関です。

ですのでいくらでも失敗したり試行錯誤してもいいのです。

 

もちろん情報活用能力についてもいくらでも失敗していいのです。

 

様々な経験を積むことで、実社会での失敗によるリスクを減らすのです。

 

子どもに任せてみよう


プログラミングについても、授業の中で使う道具(教科書、ノート)についても、先生が常に決めるのではなく、発達段階に応じて「任せる」のも一つです。

そうした委譲によって、子どもたちは自分に合ったツールを見つけたり、友達から新しいやり方を学んだりできるので、責任感も芽生えますしいろいろな手段を身につけられると思うのです。


NEE2021の中でも、紙の教科書を使っている子どもとデジタル教科書を使っている子どもの様子がありました。

最終的にはそういうことなんです。

 

結局は、

 

・課題を解決するにはどうするか

・どんなツールを使えばよいか

・自分にとって使いやすいツールはどれか

・使ってみてダメだったら他の方法を検討する

 

これが将来においても主体的に取り組める子ども像であり、目指すべき姿だと思います。

 

そのために先生は子どもたちに様々なやり方や手段を提示し、子どもが自ら「何を使ってどう表現するか」を判断できるようサポートすることが求められます。

 

そうした活動を繰り返すことで、自然と「主体的な学び」は身につくものと考えます。

 

自ら情報を取捨選択できる人材育成を

学校教育は社会を生きる上で必要不可欠な学びをする場です。

その中に現在ではICTも含まれるようになりましたので、学校における教育の負担は大きくなっています。

 

情報活用能力は学校だけでなく、普段の活用でも育成できます。

授業だけでなく日頃からIT機器に触れながら、どのようにすれば効率よく作業を行えるかを、大人とともに考え、そして最終判断を下してもらう。

こうした経験を繰り返すことで、自ら情報を取捨選択できるようになる。

 

そんな子どもたちを育成できるようにしたいものですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。ご参考になれば幸いです。