ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

国語でICT活用③「書く」活動をタブレットで実現させよう(前編)

こんにちは。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

 

国語の「話す・聞く」活動をタブレットで活用するには意見共有ソフトを使えば実現可能というお話をしました。

ict-edulab.hatenablog.com

 

 

では、もう一つの案件である「書く」活動ではどう活かすかを考えてみます。

 

 

「書く」活動のデジタル化には壁がある

「書く」活動を俯瞰してみると、文章を書く、漢字を書くなど手書きが主体になっていますので、おのずと紙媒体になります。

 

そんな中でもどうにかしてタブレットを使いたい、画面への書き込みをしたいと検討しましたが、色々と課題が道を塞ぎました。

 

勤務地域のタブレットChromebookGoogle for Educationを用いています。

 

一番の理想は、Wordベースのワークシートへ直接書き込むやり方でした。

 

実際使ったワークシート

しかしWord互換のドキュメント、Excel互換のスプレッドシートPowerPoint互換のスライドには手書き機能がありません。

 

詩や俳句など、文章系ならキーボード入力でもかまいませんが、単元内容によっては漢字の部首やつくりを書いて説明する場面があるため、手書きができないとちょっと活用に支障をきたすなあと感じました。

 

そしてさらに調べていくと、国語として致命的な、

 

縦書きができないことがわかりました。

 

そうなると全体的に紙媒体運用になり、計画は頓挫します。

 

これでは今の方法と変わらない。

ラクにならないのか?

なんとかChromebookで運用する方法はないのか?

 

数日間、色々と策を考え続けました。

 

道を切り開いた、図書単元

そんなある日、最後の単元だった読書の授業の流れをもう一度振り返りました。

Googleスライドを使った本の紹介カード

本をカメラで撮影しスライドに貼り付ける活動は簡単にできていた。

 

だから子どもたちがカメラを使うことはできる。

 

ということは・・

 

本を撮影したように、書いたワークシートを撮影して提出すればいいんじゃないか・・?

 

そう気づいた私は、検証作業を始めることにしました。

 

確認内容は3つ。

 

1.撮影した画像をクラスルームで提出できるか

2.提出された画像にコメント等の書き込みができるか

3.返却された画像にコメント等が反映されているか

 

こうして練習用のクラスルームを作り、先生役と生徒役をgmailで設定し検証作業を始めました。

 

長くなってきましたので、続きは次の記事で。

 

【関連記事】

「国語でICT」シリーズ

国語でICT活用①アナログ運用は課題満載 - ICT教育推進研究所の研究室

 

noteではICT活用以外の記事を書いています。こちらもぜひご覧ください。

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国語でICT活用②「話す・聞く」活動をタブレットで

こんにちは。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

 

国語の授業は大きく分けて4つの分野になります。

 

・読む活動

・書く活動(書写)

・話す・聞く活動(感じたことを話す・伝え合う)

・読書活動(図書館の活用・情報活用能力の育成)

 

この中でICTを活用できるとしたら、書く活動と話す・聞く活動だと思います。

 

今回は「話す・聞く」活動でICTを活用する場面について考察しようと思います。

 

 

見かけだけの「話す」活動とコロナ

1学期を振り返ってみると、

 

・特定の子どもしか参加していない。

・全く意見も言わない子もいる。

・そもそも話し合い・伝え合い活動自体が見かけ上のような気がする。(深みが感じられない)

 

これでいいのだろうか・・と思っていました。

 

じゃあ話をしない子は座っているだけで何もしていないのか、と言うとそうでもないのです。

活動後のふり返りを見ると、そういう子に限って結構いい意見を出していたりするのです。

 

意見を述べることが苦手であって、意見を持っていない訳ではないようです。

 

加えて言うなら、コロナ禍ですしあまり対面で話し合うのもどうかな?とも思います。

 

できれば対面は避けたい。その中でも対話活動は行いたい。

 

そんな無理難題もICTなら叶えられそうな気がします。

 

「話す・聞く」活動をICTで

話す活動は、隣同士で話す、班の態勢になって話す、付箋を使ったり、ホワイトボードに書いたりして共有する等がありますが、ICTであればその場で個人、班ごと、クラス全員と段階的に広げることができます。

 

この「個人→班ごと→クラス全体」というのは「協働学習」(後で説明します)のやり方ですが、これを用いることで考えの多様性を知ったり、自分の考えを広げたりできます。

 

そんな話し合い、伝え合い活動をICTで行うなら、意見共有ソフトが便利です。

 

有料であればロイロノートやミライシード等、無料でもスプレッドシートやJamboardなどがあります。

 

Googleであればクラスルームのストリームも使えますし、面白いソフトとしては、意見の多いコメントが大きく表示できる「メンチメーター」もあるので、意見共有は昔に比べて非常に手軽に行えるようになっています。

 

これらがあれば全員参加の授業が実現できるように思います。

 

もちろん活用においては慎重さも必要です。

ネットリテラシーが浅い状況であれば、画面共有ソフト(CAI)等を使うと活動に自由を持たせつつ、教員による管理指導ができる環境が実現できるので、トラブルの抑制につながります。

 

前もって設定等を確認し、子どもたちによるいたずらが起きにくいよう準備しておくことをおすすめします。

 

まとめ

国語でのICTは、話し合い・伝え合いが一番使いやすいと思います。

 

ツールも色々ありますし、クラスの実態に合わせてセレクトしてみてください。

 

ICTで、見たことのない子どもたちの素質や資質と出会ってみませんか?

 

【関連記事】

「国語でICT」シリーズ。元々の出発点はこの記事から。

アナログで運用したら大変なことばかりでした・・・

国語でICT活用①アナログ運用は課題満載 - ICT教育推進研究所の研究室

 

noteではICT活用以外の記事も書いています。こちらもぜひご覧ください。

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国語でICT活用①アナログ運用は課題満載

こんにちは。元ICT支援員の教員ぐうぽんです。

 

国語という教科ではICTの活用事例はない(と思われている)。

担任の先生に「国語でChromebookを使いたい」と伝えたら「使う必要なんてないのでは」と一蹴された。

 

そんな悲喜こもごもな1学期が無事終わり、現在は授業の反省や2学期での取り組みを考えているところです。

 

1学期を走られた先生方、大変お疲れ様でした。

 

今回は、紙媒体のワークシートで授業を運営してみて感じたことをまとめます。

 

 

運用の課題点を掘り下げる

国語の学習活動はアナログです。だけどこれまでを振り返ると、授業をすればするほど果たして指導する側の自分も、授業を受ける子どもたちもアナログのままでいいんだろうか・・という疑問が絶えませんでした。

 

例えば発言。

 

手を挙げるのはだいたい同じ子です。

後半では少しずつ増えたものの、まだまだ「全員が参加」とは言えません。(しゃべっている子は問答無用の論外ですが)

 

じゃあ意見が言えないのかと思うと、そうでもないのです。ワークシートの振り返り等を見てみると、意見や発言が苦手な子の中には良い意見を出している子もいて、「なんだよー言ってよー」となることもしばしば。

 

そうした意見って、もっと引き出したいし、共有させたいですよね。

 

次に、管理面。

 

指導側からすれば

 

確認作業に時間がかかる(大体1クラス約2時間~4時間)

ワークシートの保管場所がない(机が共有のため)

重くて毎回運搬が大変

振り返りの文章の文脈が怪しくなる(これは自分の問題)

 

そして子どもたち側からすれば

 

戻ってくるまで待つことになる

ファイルを持って返ってしまい、当日忘れてくる

数ヶ月も使ってると表紙等が破れて壊れてくる

しまいには失くす(管理運用自体が崩壊)

 

これらを鑑みると、低学年ならともかく、やっぱりアナログ運用は高学年には少々そぐわない気がするのです。

 

まとめ

アナログでの運用には、色々と課題が多かったです。教科の特性上アナログ主体なのはわかります。でもどこかで絶対デジタルでできるところがあるはず。

 

そう睨んでいます。

 

国語という、ICTとは無縁のような印象の教科だからこそ、タブレットの活用場面を探してみようと思った次第です。

 

【関連記事】

国語でICT活用、随時更新しています。

国語でICT活用②「話す・聞く」活動をタブレットで - ICT教育推進研究所の研究室

国語でICT活用③「書く」活動をタブレットで実現させよう(前編) - ICT教育推進研究所の研究室

 

 

国語のふり返りをGoogleフォームでやってみました

こんにちは。所長です。

 

国語という、ICTとは縁が少し遠い教科を担当している中で、「いつかどこかで子どもたちにタブレットを・・」とギラギラ目を光らせていたものの、1学期も終わりに近づきました。

 

ちょうどそこに本の紹介をし合う活動がありましたので、これはGoogleスライドだ!と思い、取り組んでいます。

 

そんな作業を側から見ていたら、なかなか子どもたちの入力スキルが高いので、それなら・・

 

自己評価(ふり返り)もGoogleフォームでやっちゃおう!と思い立ちました。

 

 

紙媒体の弱点

さて、今回フォームを使おうと思った理由はいくつかあります。

 

これまで紙媒体のワークシートで振り返り等も運用してきましたが、そこで生じた

 

▲ファイルをなくす・ファイルが破れる・ファイルが汚くなる

▲紙媒体だと重い

▲一人一人への感想対応が手書きで大変

▲預かったファイルの管理が面倒

 

という課題と、

 

△国語だってタブレットの活用はできる!と知ってもらいたい

△子どもたちが活躍できる場を増やしたい

 

等の思惑もありましたので、学期最後にテスト的な観点で実施してみようと思い立った訳です。

 

当初は授業のふり返りだけにしようと思いましたが、よくよく考えれば最後だし、1学期のふり返りもしてもらっちゃおうか・・なんて思い、項目をポチポチと作成。

 

Googleフォームでのふり返り

ついでにずっと前に作っておいて、「いつかいつか・・」と登録待ちになっていたクラスルームにも参加させようとも思いました。


登録さえしてくれれば、今後色々課題提出とかがやりやすくなりますし、一石二鳥!

 

そう考え、子どもたちが一生懸命紹介カードを作ったり、ブックトーク用の原稿をChromebookで作業した最後に、クラスルームへの招待コードを提示し登録、投稿しておいたフォームに入力してもらいました。

 

やってみて思ったこと

一言。

 

もっと早くやるべきだった!!!!

 

さすが高学年ですね。いとも簡単に入力し回答を送ってくれました。

 

振り返りの結果

そうなると・・

いよいよ2学期、ちょっと私も気合い入れて、本腰入れてChromebookの活用を考えてみたくなりました。

 

国語での一人一台活用、一つでも使える事例を作れるよう頑張ります!!

 

【関連記事】

Googleフォームを含めた「Google for Education」の概説をまとめています。

こちらもぜひご覧ください。

ict-edulab.hatenablog.com

たった3ステップ!児童生徒への配布資料は画像化→コピペ→印刷が最強!

こんにちは。みやもと(所長)です。

教育実習時、教科書の一部を資料として人数分配る際、教科書を1枚コピーし、これを何枚か繰り返して4枚ほどできたらさらにそれをつなぎ合わせて・・という作業を延々とやった記憶があります。

 

やってて、効率的じゃない!!!!!

 

そう思いました。

 

同じ思いの先生、いらっしゃいませんか?

もっとラクして授業の資料、作りたくないですか?

 

ノートに貼る資料をPCで作ろう

 

今回は、児童生徒に配布する資料をパソコン1つでチャチャっと作成する方法をご紹介します。

 

 

この手順の良いところは3つあります。

 

①いつでも作業できる

私のような時間講師の立場ですと、滞在時間が限られていることや作業スペースがないこともあるので、もっぱら資料作りは他校や家になります。

気がついたら作成できるし、出来たらクラウドにアップすれば学校でダウンロード、印刷、マス刷りして終わりなので、学校での作業がほとんどありません。

 

②作成資料は流用可能

Wordに貼り付けているので、保存できます。保存できるので、来年以降もすぐ使えます。

場合によっては学年で共有もできますね。

 

③作業時間の短縮

なにより、使用する紙の量が最小限で済みますし、慣れてくると数分で出来ます。

机上でできるので、コピー機印刷機の往復なんて歩き回ることもありません。

 

今はGIGAスクール真っ只中なので、先生もGoogleドライブ等のクラウドが利用できているはずです。

つまり!(あまりおすすめしませんが)家でも資料が作れるということです!

 

では、早速実践してみましょう。

 

必要なもの

 

・教科書(デジタルでも紙媒体でも)

・スキャナもしくはカメラ等の撮影媒体

・パソコン(Windows

 

 

やり方

 

①教科書の画像データ化

 

教科書を画像データに保存する

スキャナ取り込みが便利ですが、なければスマホ撮影でも大丈夫です。

ほしい部分を厳密に撮影できなくても、次のステップで加工するので、1ページ分とか大きめに取り込みましょう。

 

取り込み(撮影)できたらパソコンで作業できる体制にしましょう。

Googleドライブ等のクラウドへアップロードするなど、作業パソコンで画像が見られる状態にしましょう。

 

スクリーンショットで画像を範囲指定してコピー

 

※デジタル教科書の場合は、ここからスタートです。

取り込んだ画像を開き、必要な部分を切り取ります。

以前はSnipping Toolというソフトがありましたが、Windows10ではボタンで操作できるようになりましたので、こちらでご紹介します。

 

Windowsマークとキーボードの「SHIFT」と「S」を同時に押します。

 

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すると画面選択領域が出ますので、必要な部分をドラッグして囲みます。

クリップボードにコピーされますので、これをWordに貼り付けます。

 

 

 

ワープロソフトに貼り付け→増やす→印刷

 

切り取った画像をワープロソフトに貼り付けます。

Wordでしたら用紙設定は、A4横、余白狭いにします。

Wordの用紙設定 A4横 余白狭い

 

貼り付けたら、ここで1つ分の大きさを調整します。

内容にもよりますが、大体1行に3~4つ入るようにするとノートに貼っても見にくくならないサイズになると思います。

 

コピペして8個ほどに増やします

 

1つ分が決まればコピーして貼り付けましょう。

おおよそ1枚に6~8個入れば十分です。

1枚に収まったら印刷してください。

あとはこれをマス刷りし、裁断機でカットすれば完成です。

 

慣れてくると数分で出来ますし、画像データさえあればいつでも作業できます。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

スクリーンショットも昔に比べると大変楽にできるようになりましたので、資料作りを助けてくれるはずです。

 

さらにこれを応用するなら・・

 

1.ワープロソフトでワークシートを作成

2.課題としてClassroom等のグループウェアから児童機に送信

3.記入後提出→画面上で評価も可能

 

 

という完全ICT授業も夢ではありません。

 

とはいえまだノート指導のほうが一般的なので、この手順をご紹介しました。

 

学校でしか作業ができない、という時代は終わりです。

 

ラクを目指して、ぜひご参考にしてみてください!

 

使用画像:学校図書「4年算数」

 

一人のICT支援員の関わりから見えたICT支援員のあり方

こんにちは。所長です。

 

今年度の振り返りを授業中心にまとめていますが、今回は教員の所長とICT支援員さんとの関わりについて書こうと思います。

現場の様子などが伝われば嬉しいです。

 

 

 

年度途中の運営会社交代

実は、私がかつて所属していた会社が長年の契約を終了し、2学期に撤退しました。

 

私も今の勤務校はかつての担当校で、ICT支援員として(それなりに)育てていただいた会社だったので、撤退の話を受けたときは衝撃でした。

 

理由は「Chromebookに対応できるソフトの開発は行わない」から。

 

所属会社は元々ソフトありきの契約なので、人材(支援員)はソフトに付随しています。

 

つまりソフトが入らない=派遣できない。

 

人材だけでも・・と教育委員会は訴えたそうですが固辞したそうで、結果交渉決裂となり、撤退ということに・・

 

今だから話しますが・・

 

この話はすでに昨年春あたりから小耳に挟んでおり、お世話になっていた納入業者さんが私に相談されるなど、裏では困っている様子でした。

 

心底「なにをやってるんだ・・」と思いましたし、契約を失うことは担当されている支援員の雇用先を失うことにもなりますので、この決断に至ったのは無念でしかなかったです。

 

ソフトを入れれば数千万円という大きなお金が動きますが、じゃあそんな大金をはたいて導入したけれど、日常的に活用できたのかというと、一人一台以前の環境では大手を振って言える状況ではなかったです。

 

だから今の時代、ソフト云々よりも

 

本当に現場に必要なのは人材じゃないかと思っています。

 

時代の流れを鑑みると、そこまでソフト契約に拘る必要はあるのだろうか、と思いますし、それよりも教員育成と同じように支援員さんも育成し、チーム学校の一員として長く勤務できるような環境作りを学校含め教育委員会も目指すべきなんじゃないか・・と思う次第です。

 

新たに来られたICT支援員さんと所長

さて、そんな混乱があった中で新たなICT支援員さんが来られました。

 

挨拶がてらお声がけし、自分が経験者であることをお伝えすると、担当校でどう振る舞ったらいいのか・・とお困りの様子だったので、簡単なノウハウをお話しました。

 

右も左も分からない状態だったようで、後日、大変役立ちました、他の担当校でも自信を持って提案できるようになりましたと笑顔で話してくれました。

 

時々訪問日に算数でICTを活用する場面が重なれば支援をお願いし、少しでも役割を持たせるように配慮しました。

すると徐々に支援の回数も増えたようで、職員室にいる時間が減っていったのは良かったと思いました。

 

仕事がないと、自分の存在価値を揺るがされるので、そのあたりのメンタルケアは結構大事だなと感じました。

 

お別れに伝えたこと、伝えられたこと

3学期は私も多忙でしたし、支援員さんも各学年から支援をいただいていたのであまり関われませんでしたが、私の勤務校変更に伴い、最後にご挨拶がてらお話をしました。

 

現状を伺うと、

 

・研修が不十分

・マネジャーはいるが、研修・育成をしてくれない

・自分が最上位に位置してしまい、何も学んでいないのに後輩が来てしまうことへの不安・・

 

話を傾聴しつつ簡単な助言とともに、ちょうど今読んでいる熊本大の前田先生の本を紹介し、役割を明確化することをお伝えしました。

 

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所長から、ICT支援員さんと先生へ

GIGAスクール構想で先生方からの支援員に対する期待も上がる一方、当の支援員さんは、私の時代以上にもしかして見えないプレッシャーに押しつぶされているのではないだろうか・・と少々気になりました。

 

そんな私から伝えるとしたら、

 

どんなにひっくり返っても、できることは限られます。

求められていることに対して背伸びするよりも、今やれることをできる限りやってください。

先生方は授業のサポートをしてもらえるだけで十分満足しています。

経験は場数を積めば徐々に高まるので、頑張りすぎず、担当校のニーズに合ったご支援やご提案をしていってください。

 

これだけで、きっとICT支援員という仕事は楽しめるんじゃないかと思います。

 

私も算数で手の届かない部分をフォローしてもらったとき、いつも以上に授業がスムーズにできました。

 

重ねて、先生方にお伝えしたいのは、

 

ちょっと操作が不安だな、キツイな・・というときは、支援員さんに入ってもらうと、全然違ってきます。

 

授業の展開と指導に注力することが先生の仕事ですので、ICTの指導はICT支援員さんにおまかせしてしまいましょう。

 

T.Tによる役割分担こそが、これからの授業だと思います。

 

ということで、とりとめのない文章ですが最後までお読みいただきありがとうございました。

ICT支援員さん、来年度も引き続きよろしくお願いいたします。

【小2算数】ICT活用事例紹介 はこの形

こんにちは。所長です。

 

今年度担当した小2算数。

1年間実践してみて、ICTの効果を感じた事例をご紹介します。

今日のテーマは「はこの形」です。

 

※使用教科書:学校図書

 

 

 

はじめに

まずはじめにお伝えしたいことがあります。

 

ブログ「低学年の学びとICT - ICT教育推進研究所の研究室」でも書きましたが、低学年の算数は具体物を使った「体験」が主体ですので、ICTの活用する場面を作ることが難しかったです。

そのため、色々実験的にICTを用いてみたものの失敗した事例も多々あります。

 

ここではPowerPointと板書等による事例をご紹介し、失敗事例については後日まとめます。

 

箱から展開図への変化をPowerPoint

ここでは、箱がどのような概念で構成されているのか、を中心に理解する単元でした。

3年生以降で展開図を学びますので、ここではあくまで展開図の1つ手前までの理解にとどめています。

 

私はまず、箱は立体だけど開くと平面で構成されていることを理解させたいと考えました。

 

なぜなら、数年前担当した4年生で、どうしても箱から展開図になる様子をアニメーションで表せず、教科書のイラストをそのまま提示する指導をしてしまい、その悔いが残っていました。

 

(箱から展開図になる様子が、アニメーションで出来ないだろうか・・)

 

そう漠然と考えていたら、4年生の先生が箱から展開図に変えるアニメーションを作っていたので、やり方を学ばせてもらい、あのときのリベンジを目指しました。

 

フェードとフェードアウトを組み合わせて作りましたが、思うように行かず結構苦労しました。

 

苦心の末、実際箱から展開図へとアニメーションになったとき、思わずガッツポーズしてしまいました。

 

PowerPointを児童に見せたところ、「えええ?」と驚くと同時に、箱は開くと平面になることを映像から伝えることができました。

 

どの単元であれ導入はとても重要な場面と考えていますので、このアニメーションが学習への大きな足がかりとなりました。

 

切って、貼って、箱を作ろう

活動は本題に入ります。

箱の構成を知るために、箱の面をすべて画用紙に写し取り、これらを切り取ってテープにつなげ、実際に箱を再現させる活動をしました。

ここから面の数が6つ、ペアになる面が3つずつという基本概念に気づかせました。

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展開図から立体化する教材とのコラボ

次の時間では箱の構成を理解するので、アニメーションよりも実物のほうがいいと感じました。

 

なにか面白いものがないかなーと教材室を探ったら、

 

見つかりました。

 

これは強力マグネットで面と面を接続し、実際に箱を作れる教材です。

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面をつなげると、直方体が出来上がります。

 

6つの面を児童に1つずつつなげてもらったのですが、1人が考えていると周りから指示が上がるなどかなり盛り上がり、箱が出来上がると拍手と大歓声になりました。

 

そして再び開いて面の数やペアを確認するとともに、組み合わせ方についても考察する機会を設けて、のちの展開図へとつなげられました。


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立体化する箱は、いつも授業前や終了後の人気者でした。

基本的な展開図だけでなく、数名の児童が様々なパターンを試行錯誤し「これもできる!」「これでもいけるよ!」と見つけ出していたのが印象的でした。

 

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評価のワークテストでも半分以上がB判定以上の結果を出したので、アナログとICTのコラボが上手く行けた単元になりました。

 

まとめ

今単元では最初から「箱のアニメーション」をイメージしており、それを具現化することがすべてだと思っていただけに、実現できたことが何よりも大きな収穫でした。

 

実際のPowerPointアニメーションはブログ公開ツイートに追加しますが、このたった一つの動きが、箱の構成や概念理解へと結び付けられたこと、児童の箱に対する興味関心を高められたのは自分なりに評価できたかなと思います。

 

しいて言えば、立体化する箱が一人ずつ動かせたら構成をもっと深く追求できましたね。

そんな教材が生まれたら、楽しいと思います(^^)

 

まとめると

 

図形領域はICTの強みを活かせる

 

という結論でした。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

ご参考になれば幸いです。