ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

たまなびラボ 2019年7月5日

7月5日、東京青梅市にて初めてのたまなびラボ「先生のためのICT活用相談室」を開催しました。
そのご報告をします。

 



プログラミング教育をどう進めるか



今回のラボには数名の先生がご来室しました。その中で特筆したいのは、プログラミング教育に関するご質問でした。

ご相談の先生とはこの場で初めてお会いしました。まず先生からは

・特別支援でのプログラミング教育をどうすればいいか
micro:bitに関する情報がほしい


というご質問をいただきました。

 

特別支援でのプログラミング教育



ご相談の先生は特別支援を担当しており、来年度からプログラミング教育が始まることもあり、個々の障害の度合いを考えるとまずはアンプラグドが適しているのでは?とのお考えでした。その上で具体的にどのようなことをすればいいかとのご質問でした。

これに対しこちらからは昨年秋に大阪で行われたNew Education Dayで畿央大学の先生が取り組まれている特別支援学校と連携したプログラミング事例をご紹介しました。またこちらには特別支援に関する教材が数多く共有されている旨もお伝えしました。
ブログ:New Education Day 2018

具体的にはブロック型のダンボールに指示コマンド(手を叩く、ジャンプする)を貼り付け、これらを積み木のように積み上げてどのような動きを実現したいかを考え、できたプログラムを他の人が再現するといったものです。ダンス要素もあるので体を使いながら楽しくプログラミングできるメリットが挙げられていました。
この報告で大学の先生は「特別な支援を必要とする子どもにこそ、プログラミングが必要」ともおっしゃっていました。

またご相談の先生は「家庭科がプログラミングに適していると聞いた」とお話されたのでそれを裏付けている書籍をいくつかご紹介しました。この場で実際に書籍を見ていただき、以下の書籍を購入されました。

・プログラミング教育導入の前に知っておきたい思考のアイディア
・これならできる小学校教科でのプログラミング教育



micro:bitを用いたプログラミング



次のmicro:bitについては、私自身まだ体験レベルであったため、まず6年理科の電気単元に関する情報を先生から教授いただきました。それを踏まえた上でmicro:bitがどのような機能を持っているかをご説明し、事例が掲載されている書籍と、教材に関するパンフレットを数社ご提示しました。
全国的に電気単元はmicro:bitで行く方向性が強くなっているので、まずはそこをスタートとして今後他の教材について検討されるのがよいのでは?と助言いたしました。
質問についてこちらから具体的な方策は示せませんでしたが、帰り際「全く見えなかったけれど、これで少し見えてきました」とのお言葉をいただきました。

 

ラボをふりかえって



今回相談室という形でラボを初開催しましたが、どの先生も抱えられていた悩みを解消されてお帰りになられたのが良かったと感じています。
合わせて参加された皆さんにはアンケートを実施し、そこで希望したい内容等を知ることもできました。

実際開催することで、チラシの内容もやや堅苦しい部分があることや、会場にほとんど電波が入らないといった問題点も見つかりました。これについては今後改善できるようにしていきます。

次回の開催は8月末を予定しています。日時が決定しましたらTwitterと研究所ホームページでお知らせいたします。

改めて、週末金曜日の夜という貴重な時間の中、相談室にお越しいただいた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。