ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

【たまなびラボ】教員向けプログラミング教育基礎講座

去る10月11日、青梅市にて教員向けプログラミング教育基礎講座を開催しました。

 

 

 

 

一本の電話をいただいて



これまで講座は数回実施してきました。Twitterでの告知や近隣小学校へチラシを配布するなどの周知活動も行いました。
しかし残念ながら受講する先生はいらっしゃいませんでした。

そんな中、当日夕方に一本の電話がありました。
お相手は地元の小学校で、講座を受けたいという問い合わせでした。
こうして管理職の先生も含め3名の先生が講座受講生として来場いただきました。

 

初めてのプログラミング体験



約束をいただいた学校の先生方がお見えになり、まず管理職の先生と名刺交換後さっそく講座をスタートしました。
今回は授業を見据えたViscuitとScratchを簡単に体験いただきました。
パソコンはご持参いただいたものとこちらで用意したもので対応し、ネット環境は会場のWi-Fiを利用しました。

最初に導入の経緯や注意点などを概説し、Viscuitを体験しました。
3名の先生ともプログラミングは初めてのようで、管理職の先生は当初参加せず観覧の予定でした。
しかし私はせっかくなので、と先生にもパソコンをお渡しし、参加を促しました。
操作説明とともに全体の活動をご説明し、いよいよ作品作りに取りかかりました。

Viscuitでは通称「ビスケットランド」をしました。
これは一人一人がプログラムで動きを追加したキャラクターを、共有場所にアップロードすることで一つの水槽(水族館)を作り上げるという内容です。
私を含め参加された先生方は思い思いのキャラクターを作ってはプログラムを組み入れ動きを付けていきました。
作業時間終了後、全員の作品を水槽にアップロードし、簡単な鑑賞会をしました。
その様子がこちらの動画になります。


Viscuitの大きな強みは一つの場に作品を共有できる部分にあると私は思います。

ほとんどのビジュアルプログラミングは単体で動く、共有できても作品自体を共有できるだけです。
その中でViscuitは一人一人が作った作品自体を一箇所に共有することを可能にしている。
これは学校教育の観点で言う「学び合い」であり、学習指導要領が求めている「主体的・対話的」な部分であると言えます。
これだけでも十分なプログラミング活動です。

開始前、これは低学年でもできます、とご説明したものの半信半疑のご様子だった先生方も、実際体験されてみて、これならできると実感されていました。

後半はScratchを体験いただきました。
ここでは基本操作を学んでいただいたあと、基本操作に関するミッション、多角形描画に関するミッションを1つ出してそれをクリアーするという流れで実践いただきました。

こうして1時間半の講義は終了し、最後に所蔵する書籍や教材のご紹介も行い、推薦図書については撮影もしていただきました。

 

 

管理職の先生にこそプログラミングを



今回、ラボの形では初めての講座開催でしたが、概ね先生方はプログラミング自体を肯定的に受け止めていただけたご様子でした。
また実際にソフト等を体験いただくことでどういった活用をすればいいのかイメージも掴みやすくなったかと感じています。
参加予定ではなかった管理職の先生にご参加いただいたのも、意図があってのことでした。

プログラミング教育は実践する先生方だけでなく、むしろ管理職の先生にこそご理解頂くものと思います。

学校経営を司る管理職の先生がプログラミング教育を知らないのでは、教育課程の作成に影響を及ぼします。

体験されることによって、プログラミング教育の概念を理解できる。
これまで培われた経験や実績を元に、プログラミングを盛り込んだ授業を先生方に提案、提示することができる。
それはよりよい授業を生み出すことにもつながる。

私はそう考えます。
そのためにも、管理職の先生にこそプログラミングは体験していただきたいと切に願っています。

その一方で、これは私自身の問題でしたが心の準備が完全ではなかったこと、講座の内容や進め方がスムーズではなかったこと、どこまでをお伝えし、どこからを次回以降に回すべきだったのかが曖昧だったことが課題として考えられました。
1回の講座ではすべてを伝えることは不可能ですので、内容の線引の重要性を実感しました。



当日はあいにくの雨模様の中、ご参加いただいた先生方には厚く御礼申し上げます。
そして今後この講座が多くの先生方にとってプログラミング教育に対する不安払拭の一助になればと思います。
なお、当講座を校内研修で実施することも可能です。詳しくはお問い合わせください。

最後までご覧いただきありがとうございます。ご参考になれば幸いです。