私が3ヶ月間算数の先生として活動した経験から、一つの見解がありました。
今回はそのお話を。
なかなか日常的活用に結びつかない背景
ICT活用に向けたアプローチは講習会や研修など様々あります。
私もこれまで支援員として数々の導入講習会や研修を行ってきました。
確かに講習会もICT推進に向けた取り組みとして一定の効果をもたらしますが、残念ながらその多くは一過性に終わる傾向にあります。
また研究授業の見学も一つの手段と言えますが、どうしても発表を意識した内容になるため指導方法に特別感を感じやすく参考程度に終わってしまいがちです。
ICT活用が広がらない理由には準備に時間を要する点などが挙げられますが、一番大きな理由は「使う場面が想像できない」ことではないでしょうか。
ICTには色々なソフトやハードがありますが、これらをどのように使えばいいのか、使うことでどのような効果があるのか具体的なイメージができなければ活用への一歩を踏むのは難しいと思います。
そうした状況の中で、今回一つの考察をしました。
それは日頃からICTを活用している先生の授業を見ると、他の先生がICT活用を真似しやすくなるということです。
「見る」行為がもたらしたICT活用事例
授業を見た先生がICT活用に踏み切った事例がありました。
私はほぼ毎時間の授業をPowerPointで行ってきました。
今回練習も兼ねて中学年クラスで授業を実施させてもらいました。
テレビにタブレットを接続し、私が直接画面に書き込む様子に子どもたちの視線は釘づけになりました。
それから数日後、これまで全くICTを活用していなかったこのクラスの先生が、タブレットを用いてカメラに映し出した映像にペンで書き込むといった授業を展開しました。
これには内心驚いたとともに、今回の考察を生み出しました。
普段の授業を見学するだけで、ICT活用のヒントが見えてくる
今回の事例を踏まえ、先生がICTを日常的に活用してもらうには、
飾り立てない普段の授業を見てもらい、そこから学び取ってもらうこと
が最も効果的ではないかと思います。
これは先生に限らずICT支援員さんにも言えます。
授業支援を通じて簡単な操作手順で大きな授業効果が得られると先生が感じ取れば、「ちょっと使ってみようかしら」と思ってもらえるかもしれません。
「見る」という行為は時に大きな成果をもたらします。
こうしたいわゆる「百聞は一見にしかず」の取り組みは、お忙しい先生にとって適している学び方かもしれません。
活用を検討されている先生、ぜひICTを活用した授業を見てください。
そして何かを掴んでください。
先生が感じた「なにか」は、授業や指導を大きく変えるきっかけになるのです。