ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

免状取得から2年。みやもと先生、教壇に立ちます。

12月のとある午後、私はある教育委員会に出向きました。

一つの決断と回答をするためです。

 

 

厳しい状況と私の切なる思い

 

これはものの1週間の出来事でした。

 

私は仕事の提案のため教育委員会にいました。それについては検討いただくとの返事で終わったのですが、話の流れでなぜか講師のお話が出ました。

 

「実は講師を探してまして。みやもとさんは確か教員免許をお持ちだそうで」

「え、ええ。持ってはいますが取ったっきりですよ」

「実は・・・」

 

聞くと、かなり大変な状況にあることを知りました。

最初は学級担任を、と依頼されましたがさすがにそれは・・とお断りしました。

すると「教科指導はどうでしょう?」と提案。

 

教科指導・・。要は専科みたいなものよね?それなら・・

ちょっと心が揺らぎました。

ただ、その場では回答せず、打ち合わせは終わりました。

 

その後伺った研究授業先の学校では、再会した多くの先生方から「みやもとさん。手助けしてほしい」というお声をとにかく頻繁に受けました。

ict-edulab.hatenablog.com

 

翌週になると偶然街中でお話のあった学校の先生とお会いしました。

「そういえば免許取ったんですよね?だったらぜひうちに来てくださいよ〜」 

さらに翌日になると校長先生から直々の電話まで。ここでもお話を伺うとますます心は揺らぐばかりでした。

 

かたや私の方は研究所がうまく立ち行かず、学校を回っても仕事につながらない状況が続いていました。

このままでは生活もままならない。なんとしても収入を得ないと。

そんな思いがずっと私の中を駆け巡っていました。

 

講師になれば学校に入れるので先生や子どもたちの動向が手に取るように分かる。これはとてもありがたい。

しかし研究所と兼務できるだろうか?いや、そもそも兼務していいのか?

色々悶々と考えていましたが、それ以上の大きな不安がありました。

それはこれまで培ってきた支援員時代の業績と違うこと。

 

正直言うと「パソコン」の授業は何百回と実践してきましたが、教科指導は教育実習のときだけ。それも失敗ばかりでとても指導とは呼べないものばかり。

加えて実習期間中どう頑張っても子どもの名前が全員覚えられなかったという致命的な問題もあり、やっぱり私は教員に向かないと自らその道を絶ち、あくまでも先生のバックボーンになると決めていたのです。

 

やったほうがいいか、やらないほうがいいかの押し問答が続きました。

 

数日間迷っている。そんなことをお世話になっている病院の先生に話すと一言。

 

「みやもとさん、もう答えは出ています。やる気ですよね?」

「え?」

「だって口調がやる気だもの」

 

正直、できるかわからないから不安だった。前職や支援員時代に叩き込まれた「失敗は許されない」姿勢が、失敗を異常なまでに恐れる性格にしていた。

 

先生の一言で少し考えすぎている自分に気づきました。

 

不安はもちろんある。だけどこれは一つのチャンスだし、3ヶ月だけなら試用期間と思ってやってみよう。もう四の五の言っている状態ではない。もちろん不安な点はちゃんと伝えよう。

そんな一つの答えを持って、先方に向かいました。

 

依頼、受諾します

今回講師を受ける学校は、かつての担当校です。

結論をお話しすると、指導主事の先生が早速学校へ連絡、今から向かいましょう、と打ち合わせもほとんどしないまま急遽学校へ。

実はこの時点で自分の抱える不安はお話していません。

 

学校では管理職の先生が迎えてくださいました。

私が最後に担当した学校にこのような形で戻るとは・・。

 

ここでさらに詳しいお話を伺いました。

講師探しは2学期から半年以上していたこと。100件近く電話したが断られ、どうしようもない状態だったこと。

その中で私が受諾したことは学校にとっても、教育委員会にとっても大きな出来事だったようです。

 

だけどまだ私の不安を伝えていない。ここをクリアしないと受けられない。

ようやくそこで苦しい胸の内をお伝えしました。すると指導主事の先生は

 

「今回は無理を承知の上でお願いをしました。その気持ちはよく分かります。だからこそこちらは全力でバックアップします。何かあればすぐおっしゃってください。できる限りのことをします」

 

全面協力するというお返事。

 

さらに研究所の活動についても言及し、

 

「時間講師なので問題ありません。教育委員会内でもそのことはすでに承知しています。ですので授業時間外でしたらどのようにしていただいても構いません。いや、むしろプログラミング教育やICTのこともありますので、タブレット活用を含めどんどん活動してください!」

 

言葉がありませんでした。

支援員時代、いや社会人になってもここまで期待されたことはありませんでした。

(逆にここまで言われるとプレッシャーで仕方ない・・)

 

やると言ったからにはやるしかない。考えれば不安しかありませんが今はそれだけです。

 

多分相当失敗するでしょうし、上手く行かなくて凹むでしょう。

だけど支援員時代も相当な数の失敗をしてきましたし、それにもめげずに頑張ったから今があり、がむしゃらにやってきたから、こんな私を信じてくださる先生がたくさんいるのだとわかりました。

 

それに支援員卒業後、講師として実績を積もうと思った時期もありましたが色々あって出来ずじまいでした。だからきっとこれは通るべき道なんだと思っています。

 

まずは3ヶ月、私なりに頑張ってみようと思います。