先日、私が研究所として初めて請け負った小学校の研究授業と研究発表がありました。
その詳細はまだ撮影画像の掲載許諾が取れていないので、今回は先生方との再会によって気付かされたことを記します。
なお昨年の支援内容はブログ「研究授業その1」をご覧ください。
先生方や関係する方々から受けた熱い思い
当日は地域の小中学校の先生が集まりました。
学校の入り口付近で早速かつて担当した小学校の先生たちとお会いしました。するといきなり「たまには学校に顔出しに来てよ」と言われてしまいました。
授業が始まり、教室を回るとまた別の小学校の先生と再会。すると「みやもとさん、私3学期プログラミングの授業やることになってて。もう全然わからない。なんとかならない?」と直談判されました。もちろんお力添えしますと伝えると、じゃあ相談に乗ってほしいとのことで研究所のLINEを交換。対応時間や具体的な代金等も伝えました。
その後廊下で給食の配膳さんに「みやもとさーん」と声をかけられました。どうしてるの?と近況報告がてら教育委員会様と打ち合わせして色々ご提案受けまして…と話すと、「来てようちに。給食出してあげるから」と珍しい形のアプローチをされました。
支援員時代はほとんど会話もしなかったのに、不思議なものです。
そして給食…それすらもなんだか懐かしいです。
別の教室では夏に講習を受けてくださり、入り口付近で声かけた小学校に勤務する先生が「みやもとさん、あのときはありがとう」とお礼がたがたやってきました。さっき他の先生から私に顔出してと言われたので、と先生にLINEを渡し、先生方に何かあればここへ連絡してほしいと言付けました。あの学校にはちょこちょこ行かないといけないなと思いました。
他の教室へ移動するところで、中学校の副校長先生とお会いしました。先生は私が支援員辞めたことも教員免許取ったことも知らなかったのでそこからご説明し、研究所のパンフレットやら報告書などをお渡しました。
どんなことやってくれるの?と聞かれたので、支援員でやっていたことプラス生涯学習へのアプローチです、時間の縛りはないので夕方から支援したこともありますとお話ししました。
将来的に助けてもらいたいとおっしゃったので、ここにも時々顔を出す必要があると感じました。
さらにこの地区2校でお世話になった先生と階段でお会いしたら「全然来ないから忙しくしてるのかと思ってあまり声かけられなくて」と言われてしまいました。
いや全然ヒマですよ~なんて笑って返しましたけど、この一言が結構心に響きました。
仕事がない、じゃなくて、取ろうとしなかった自分
研究授業の時間だけで名刺を10数枚渡しましたが、率直な気持ち、ここまで多くの先生方が私を渇望しているのかと逆に驚きました。
しかしそれと同時に、一体自分はこの数カ月何をしていたんだと情けなくなりました。
これまで何度か学校に顔を出すものの、どうしても学校によっては事務の人がいい顔をしないことがあります。
最近は支援員時代のつながりがない人が窓口に立つことも増えており、そのため変な営業だと思われてるように無意識的に感じていました。
それに研究所として実績もあまり出せていないことや、つい雰囲気や空気を読み取りすぎる性格もあって、だんだん学校に顔を出せなくなっていたのは事実です。
提案できるような話もないのにヒョコヒョコ学校に行っていいものか。
用もないのに学校へ行くのはいいことなのか。
そう思っていました。
だけど今回再会してみて、現場の先生たちは私に何と言ったのか。
「たまには顔を出してよ」
「相談したいことがあるんだよ」
「顔見せないから忙しそうだと思って連絡できなくて」
結局私の気を遣いすぎる性格もそうだし、先生も表立って強くヘルプが出せない環境にいる。そこへ働きかけようとしなかった自分の営業力の甘さと積極性が足りなかったことを、この日強く実感しました。
現状を変えるために私ができることは
1年前、お世話になったからと顔を出した学校で突然「いいところに来てくれた!助けてほしい!」と懇願されたことも思い出しました。
詳しくはブログ「学習発表会」をご覧ください。
京都に戻る日をずらしてまで最後まで面倒を見て、先生方からめちゃくちゃ感謝されたあのときのことを忘れていました。
このときの実績と今回の先生方のお声。それは何を意味しているのか。
結局事務が門前払いするから、実績がないからといって自分で勝手に「私は学校に顔を出す資格なんてない」と決めつけて遠ざけていたんじゃないか。
ここまで私を求める先生たちの声があるのに、なぜ私は応えようとしなかったのか。
なぜそう思い込んで自分の行くべき道を塞いでしまったのか。
そんな気持ちになりました。
この日午前の教育委員会様との打ち合わせでも指導主事の先生は「この町はもっとICTの力を高めていかなければならないと感じています」とおっしゃっていました。
その口調から近隣の自治体よりもICT活用に関するかなり強い危機感を持っていることを感じ取りました。
教育委員会はICTをもっと使わせたいと考えている。
研究所は先生や子どもたちにICTを活用する力をつけるためのアイデアやノウハウを持っている。
大学の卒論でアンケートを取ったとき、この地域一帯の先生の90%以上が授業でICTを使いたいと思っている。
そこまで来たら、もう双方の願いは同じようなもの。
私のやるべき道は私自身が気付いていないだけで、すでに見えていたのです。
ヘルプの声がある限り、できる限りのことをしたい。そして先生方にICTの活用能力を身に付けてもらい、子どもたちの指導へと活かしてほしい。
それが私からの心からの願いです。
この願いがこの町で実現するため、さらに動いてみます。