昨年9月から2週間に1回の割合で、小学4年生2クラスの情報教育を担ってきました。
先日その集大成として2分の1成人式が行われました。
一言、感動に尽きるのですが、そんな彼らが担任の先生と私と歩んできた情報教育を振り返ってみたいと思います。
まず、どうして私が時間講師なのに総合的な学習の時間の指導ができたのか。その理由からご説明します。
この学校には2ヶ月前から算数で勤務していましたが、管理職の先生から支援員時代のノウハウをぜひ伝授してほしい、プログラミング教育が始まったもののコロナでの休校等もあって軌道に乗れていない・・などなど、この学校に潜む多くの課題をお聞きしました。
「やります!!!」と言ったものの、パソコン自体教科ではないため、私がすんなりと指導できる訳ではありません。
そこで管理職の先生が提示したのが「初任の先生負担軽減措置」というものでした。
私の担当する学年には1年目の先生、初任の先生がいます。
その先生の負担軽減として、時間講師を充てることができる制度があるようです。
これを利用し、私が初任の先生に代わって総合の情報教育を担う、という形になったのです。
計画がないから作ってください
障壁が取り払われたので、準備に入りました。
まず年間指導計画の見直しを、と思ったら、「それ自体がかなり古いので、いっそのこと作ってください~」と学年主任の先生。
・・二つ返事で承諾し、プログラミング、ローマ字、プレゼンテーションの3本柱を設定。具体的な内容と使用するソフト名を加えて仕上げました。
のちにこの指導計画については、管理職の先生から伺った話では教育委員さんが訪問されたとき突然「パソコンの授業はしているんですか?」と質問された際、機転を利かせてこれを提示し事なきを得たという逸話もありました。
やはり事前に準備しておくって、大切ですね。
4年生の実態と、子どもたちの変容
次に担当した学年について紹介します。
学年で41名の4年生は、全般的に努力家の子どもたちです。
物事を前向きに捉え、協力して助け合う姿が印象的です。
これまでパソコンやタブレットは数ヶ月に1回、ICT支援員が指導するときに触る程度でしたが、これが2週間に1度となったため触れる回数は大幅にアップしました。
まずはプログラミングを通して、コンピュータの特性やプログラミングを学びました。
ビスケット、アンプラグド、アルゴロジック、Scratch、micro:bit・・
本当に多くのソフトやハードと触れ合い、子どもたちの創造性はどんどん育まれていきました。
活動の中で担任の先生は、受動的な子どもが自然と主体的に友達と関わる、自分が見つけたやり方をどんどん他の友達に共有するなど、普段と違う様子に驚いていました。
ただ、これは支援員のときにも多く見られる変容の一つでしたので、私自身そこまで驚くことはなかったのですが・・
実はここから子どもたちも、そして私も、担任の先生もICT活用に対する見方や行動が変わっていきました。
周りにICTを使う先生がいると、関わる先生も変わる
まずは先生から紹介します。
私は算数ではPowerPointを使って指導しています。
そして単元や内容によってはデジタルコンテンツを子どもたちに使用させ、理解につなげました。
すると2人の担任の先生も徐々にICTを使うようになりました。
学年主任の先生は書画カメラの活用に踏み切りました。
夏休み一度講習し、その後はコンスタントにいろいろな教科で活用しているようで、「やっぱり大きく見せるっていいねぇ」とのこと。
初任の先生も大型テレビを借り出しては、自作のPowerPointを投影するようになりました。
子どもたちがPowerPointに触れる機会が出てきたとき、「先生が使っているあれだね」と気づいたので、「私も使ってるよ。それを今度はみんなも使えるようになるんだよ~」と投げかけたら、「すげー!」「やりたいやりたい!」と大はしゃぎでした。
パソコン室で眠っていた書画カメラは、同じく少人数算数を担当するベテランの先生にも波及しました。
先生は私の担当する4年生以外を担当していますが、「みやもとさんのように、教科書を大きく見せたい」というご要望にこちらも講習を実施。単元に合わせて活用されました。
使っていくうちに先生は、黒板に直接プロジェクタを映すと見えにくいと感じるようになり、なんと吊り下げられるホワイトボートを作成し、見にくさを軽減するようにしました。
実はマグネット式のロールシートがあるのですが、マーカーで書くと色が残るのでお勧めできないとお伝えしたら、このようなスタイルができあがっていました。
これならマーカーで投影した教科書に直接書き込んでもきれいに消えるし、なによりポイントが分かりやすくなった、どこを学んでいるのか捉えやすくなったよ等の声を先生からはいただきました。
確かに直接書き込むって、タブレットにペンで書くより楽だなーと気づき、私もこの恩恵には、最後ちょこっと預かりました(笑)
私の日常的なICT活用は、日を追うごとに少しずつですが他の先生方にも影響をもたらしはじめたようです。続きはまた。