今回はICTを活用する上で陥りやすい問題についてです。
ICTを使った授業を見学すると、「手段の目的化」になっているのを時々お見受けします。
手順の目的化
「手段の目的化」とは、コンピュータやタブレットなどICTを使うことが授業の目的になっていること。
つまり、本来であればその教科単元で習得すべき知識技能が学習目標(めあて)になるはずなのに、ICTを使うことが目標になってしまい、本来の学習目標がぶれてしまうことを言います。
これはICTが特別なものという意識が強く、「とにかくICTを使わなければ。使えば活用したことになる」という流れから来ているようですが、本来の学習効果を考えたらこうしたことはできれば避けたいものです。
特に小学校で今後始まるプログラミング教育では、活動ありきになる可能性がありますので、手段の目的化が起きやすいと考えています。
では、手段の目的化にならない授業をするには、どうしたらよいでしょう?
手順の目的化にならない授業をするには
それは「明確な学習目標を持ち、絶対にぶれさせない」ことと「ICTを主役にしない」ことです。
ICTにはソフト、ハードそれぞれに長所短所があります。
特に教科でICTを使う際は、まず普通に授業の流れを考え、その中から「どの場面でICTを使うと効果が得られるか」を考えてみると良いでしょう。
ICTを使うがために普段の授業スタイルを崩すのは本末転倒です。
むしろICTをいつもの授業に「埋め込む」ことで、手段の目的化は回避することができます。
ICTはツール
多くの方もおっしゃっていますが、ICTはノートや筆箱、教科書、資料集と同じツールです。
特別扱いする必要はありません。
背伸びする必要もありません。
先生が考える授業展開の中にちょっと「調味料」程度にICTを加えていただくことで、背丈にあった活用になり、効果も十分発揮することができると思います。
ご参考になれば幸いです。