小学校でのプログラミング教育がいよいよ平成30年度から移行期間に入ります。
自分もそうでしたが、多くの方々がこのプログラミング教育を「パソコンでプログラムを入力して何かを作るもの」と認識されています。
しかし本当は全く違います。
「プログラミング教育」とはどんなことをするものなのか、今回はプログラミング教育の基礎知識について書いてみたいと思います。
プログラミング教育が導入される経緯
プログラミング教育に関する答申については文部科学省のサイトに取りまとめがありますが、その要点は以下の通りです。
・身近な生活にコンピュータが存在するようになったことで、利用するだけでなくその構造についても理解する必要がある。
・人工知能(AI)の台頭により、情報技術を活用して課題を解決したり新しい考えを生み出したりする力が求められる時代の到来が考えられる。
小学校プログラミング教育の大前提
プログラミング教育の大前提は、「言語を学ばない」ことにあります。
ここに大きな誤解があります。
小学校でのプログラミング教育に求められる資質能力はあくまでも「論理的思考力」です。
Javascriptやruby、Pythonといったプログラミング言語を学ぶことはありません。
※補足すると、全くしない訳ではなく「オプション」として実施することは可能です。
要は「言語を学ぶ」ことが前提になってはならないということです。
プログラミング教育が育む資質能力
プログラミングを通して育みたい資質能力は以下の通りです。
・問題解決には必要な手順があることに気付かせる
・自分が求める活動を実現させるための論理的思考力
・コンピュータを人生や社会づくりによりよく活かす態度
これらの資質能力を、総合的な学習の時間を中心に、教科単元でも実施することが求められています。
具体的な活動は
【理科】自然現象に対する問題を見出し妥当な考えを導き出す
【算数】筆算の計算手順
【音楽】条件に基づいて音の高さや長さを指定し、音楽に仕上げる
【国語】相手に説明するための手段や流れを考える
が提案されています。
いかがでしたでしょうか。
プログラミング教育は、まだまだ発展途上の段階にあります。
今後も状況は変化する可能性がありますので、情報収集と実践改善を積み重ねてよりよい授業事例を見つけ出すことが大切だと考えています。
ご参考になれば幸いです。
【参考】文部科学省 小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/122/attach/1372525.htm