ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

足りないものが見えてきた3年目

ICT支援員になって3年目に入った私は所属先が代わり、親会社の所属になりました。

それと同時に組織も変わり、新たな新人さんが大量に入社しました。

そこでもなんの因果でしょう。また前の職場の先輩が入ってきました。

もう驚きを超えて、言葉すらもありませんでした。

(のちにこの先輩は私の右腕として大活躍しましたし、かなり助けていただきました)

 

そんな3年目になると、学校の流れ、先生がどういうことをしているのか、そして仕事をしていて不足しているところが見えてくるようにもなっていましたし、現状を変えていきたいという思いも出てくるようになりました。

私はこの期間で施した全体を変える取り組みは2つありました。

今回はそのあたりを書いていきたいと思います。



 

新人さんへの指導方法がまちまち

 

一つは新人さんへの指導方法が人によって違っていたことです。

 

私が入社したときも、教えていただく先輩によって内容が違っていることがよくありました。

その度に「あれ?この人はこう言ってたのに、それ違うって言われると混乱する」と思っていました。

 

前の仕事では結構このあたりが厳密で、マニュアルがあったりしました。

過去にリーダにそのことを聞いたら「マニュアルはそれぞれの頭の中にあるからいらない」とバッサリ言われ、絶句したことがありました。

 

おいおいそれはないんじゃないかい?と思いましたが、確かにその言葉にも一理はあります。

 

学校は本当に小学校中学校でも大きく違いますし、さらにその学校ごとにも特色というか特徴があり、いわゆる独特の雰囲気がありました。

だから一概に「こういうもの」と定形化することは難しいことではありました。

 

とはいえ、それは細かい部分を見ればの話であって、基本的な部分は共通している。

特に訪問する自治体のICT環境については。

せめてそこだけでもマニュアルを作れば、いつも私たち先輩支援員が一から教えるのではなく、訪問しない日の自学自習や訪問したときのヘルプになるし、先輩支援員の教える時間を短縮することもできる。

 

「やろう」

 

こうして勝手に私は新人支援員さんに向けたマニュアルを作り始めました。

 

マニュアルの存在価値は絶大

 

作成にはかなりの時間を要しました。訪問する学校の空き時間や夏休みなどを利用して、事細かく、分かりやすく図解も入れるなどの工夫を施しました。

 

とかく担当した自治体の構成は結構難しく、私自身もこのシステムを理解するのに大変でした。そんな辛い思いを入ってくる支援員さんに味わわせるのを少しでも減らしたい。そんな思いだけでした。

 

最終的に完成したものを月1回集まる会議の場で公表し、見てもらいました。

 

「これは助かる!」

「これさえあれば電話で相談しなくても済む」

 

かなり好評でした。

なお、このマニュアルは私が去った現在も新人支援員さんが最初に読む本として活用されているそうで、さらに他の地域にも参考資料として流れ、その地域ごとのマニュアルとなって活躍しているようです。

 

少しでも教え方による齟齬をなくしたいし、手間を取らせたくないというのは仕事をしていれば誰しも思うものだと思います。

こうした活動を通して、支援員を育てたいと思うようになったのもこの頃だったかもしれません。



学校ごとに違うリンク集を統一したい!

 

私の担当地区はその当時、ある掲示板ソフトをセンターサーバとして入れており、それを通じて各学校をリンクさせることができました。

しかし実際は学校ごとに独立した運営方法を取っており、特に調べ学習に使えるリンク集は伺う学校によって違いがあり、使いづらいなと思っていました。

それに学校数も多いので、A校にこのリンクはあるのに、B校にはないから追加するという作業をいちいちやるのも面倒でした。

 

せっかくセンターサーバなんだから、リンク集なんて統一しちゃえばいいのに・・

 

「やろう」

 

また突発的作業を始めてしまいました。



この作業をやろうと思ったきっかけは、他地区の事例でした。

どこか忘れましたが、全国的な会議イベントのとき実践していた自治体があったので、「なんだ、やれるんじゃないか」と思ったからです。

 

早速会社の開発の人にやり方を聞いて、IPアドレス等を組み直したりして統一への道を模索しました。

ところがこれが結構大変でした。少しずつつながっているのにどうしてもつながらない学校があり、自分のスキルではどうしようもなくなっていました。

会社のヘルプ電話に幾度となく電話したり、開発の人にメールを送ったりして手ほどきいただくのですがどうしてもつながらない。

もはやこれまでか…そう思ったとき、開発の人が「じゃあそっちへ行きます」と連絡し、わざわざ現地に赴いてくれました。

 

一緒にサーバ内を見て、IPアドレスの設定を変更し、ついにすべての学校のリンク集が繋がりました。

 

これについても他の支援員からの評判は上々で「使いやすい!」「みんな同じだし、一旦変更すれば全部に反映されるなんて便利」などの感想をもらいました。

 

使いにくい環境の中で使うよりも、支援員にとってやりやすくするのも職場環境を良くする要因かなと思います。

なにか気づいたら行動する。そして一つでも仕事の効率化を図るのも仕事の一つですね。

 

他にも色々やりましたが、一番思い出に残っている私なりの改革でした。



次回は12月19日に更新します。