ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

ICT支援員が抱える課題

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ICT支援員という職業に対する自分の感覚は、8割が満足、2割が課題でした。
仕事自体とっても楽しいICT支援員なのですが、あえてここでは課題の部分についてお伝えします。

 

 

 

 

 

 訪問回数

「なんで毎日来てくれないの?」
毎年必ず一人以上の先生から言われる言葉です。

こればかりは契約の都合ですので自分ではどうしようもない部分です。
現場は少しでも多く来てもらって、いつでも困った時に対応してもらいたい。

しかし教育行政はここにだけ予算をつけることは出来ませんので、結局回数を一定数にせざるを得ないと認識しています。


長きにわたる課題ですが、今後少しでも学校現場にとってもICT支援員にとってもいい方向に向いてくれることを願うばかりです。

 

仕事量がまちまち

これも多い課題です。

学校へ伺ったものの「仕事?ないねぇ」と一蹴されることも少なくありません。
(毎回これが半年以上続いた時はさすがに笑顔でいられなくなり、不登校になりかけました)

多い学校は勤務時間を過ぎても終わらないほどの依頼がある一方で、全くない学校は一日何もしないで先生にどうお声がけしようか・・とあたりを見回すばかりで挙動不審な状態になります。これが一番つらかったですね。

 

支援員を上手く活用できない理由

こうした原因として考えられるのは以下の2つです。


1.支援員の役割がわからない

(何が出来るの人なのか、いつまで来てくれるのか知らない)


2.学校が支援員を必要としない

 

絶対2.だろう、と私は現場の雰囲気からそう思っていました。

しかし自分の卒業論文で先生100人にアンケートを取ったところ、2.の考えは非常に少なく、結局1.が原因だと結論づけました。


長く支援員が活躍している地域なら、ちょっと頑張れば先生方も「じゃあこれを」と仕事をいただけますが、ことに新規参入地域では認知されるまで最低でも2年はかかります。

そのため仕事がなくても声がかからなくても、忍耐強く、粘り強く活動することが支援員には求められます。

 

不安定な雇用形態

ICT支援員は外部人材に該当するため、どんなに頑張っても「職員」として認められません。
また雇用形態が契約やアルバイトなので、ボーナスや退職金は存在しませんし、教育行政からの契約が切れれば仕事は終わることになります。
「チーム学校」が謳われているものの、支援員の立場はまだまだ不安定です。


こんなところでしょうか。
課題はありますが、ICT支援員は大変魅力ある仕事と自分は思っています。
存在がもっともっと先生方に認められると嬉しいですね。

参考になれば幸いです。