ICT教育推進研究所の研究室

ICT支援員→小学校教員が「ICTの効果的な利活用」をテーマに、授業記録・情報教育・情報通信技術(旧ICT)支援員について書いています。

手段をもっと子どもに選ばせてみては?

こんにちは。ぐうぽんです。

 

先日、4年国語「自分だけの詩集をつくろう」を実践しました。

 

これは、教科書の詩に隠されたテーマに気づかせ、子どもたちが「自分だけの詩集を作る」を学習課題とし、一つのテーマを決めて詩集を作る活動です。

 

ここで私が気になったのが「詩集」の形。

指導書を見ると、国語だからでしょうか、書くことを前提に展開が進んでいます。

でも、私はいつもこうした指示に疑問を持っています。

 

小学生とはいえ、出力する媒体を教師が決めてしまっていいものか、と。

今回、詩集の形を子どもたちに選ばせました。


一つは指導書通りの紙媒体。
もう一つはICT。タブレットによるスライドです。

 

予想通りスライドを選ぶ子が多い中、紙媒体を選ぶ子も数名いました。

 

最後の授業を指導したとき、宿題にしていた作成は進んでおり、紙は紙で色鉛筆や文字の大きさなど個性あふれる詩集になっており、方やスライドも背景やアニメーションを駆使した詩集で、それぞれの良さを生かしたものになっていました。

子どもたちも達成感のある様子で、「親に見せたい」と言う子もいたので、ごく普通の言語活動だったけど満足できて良かったと思いました。

子どもに任せよう

低学年はまだ判断能力が未熟なので、基本的に教師が決めてその通りに表現するよう指導しています。

しかし中学年あたりになると、様々な学びの場面を経験していますので、一概に「これでやりなさい」と固定するのは疑問に思います。

それに今は一人一台端末の時代ですので絶対的に紙媒体にする必要もないのでは?と考えています。

子どもたちの「やりたい」「こうしたい」という欲求を第一に考え、その上で実態等から鑑みて最終的な判断と指示をすることで、子どもに責任感や自立心を養う一助になるかと考えています。

いずれ子どもたちは自分で様々な判断や決断をする場面が増えていきます。
そんな将来を見据えると、いつまでも決めつけるのは良くないかなと思います。

自由に手段を選び、試行錯誤しながら自分に合ったスタイルを見出すのも、失敗が許される学校だから為せるもの。

子どもたち、もっと学校で失敗していいんだよ。

 

アナログとデジタルで育む、表現の力②ICTで活性化した表現力

こんにちは。ぐうぽんです。

5年国語「この本、おすすめします」を実践してみて思ったことを書いていますが、今回は後編。

前編はこちら。

ict-edulab.hatenablog.com

 

清書でChromebook大活躍!

下書きが完成した子どもたちはクラスルームへアクセスし、ひな形への清書入力に取り組みました。

ここでの重要点は

 

・おすすめする相手を意識する→表現方法の工夫
・文字の大きさ等の体裁
・見やすく、分かりやすく、その本を読みたくなるような推薦文の作成

 

入力できたら一旦提出してもらい、こちらで修正コメントを入れて返却、の手順を繰り返して完成を目指しました。

 

中には授業中、手を抜く子もいるので、

 

「おーい、清書はこの時間しかないからね!この時間で出せてないとアウトだからね!」

 

と声かけすると子どもたちは「やっべ!」と気持ちを入れ替え、必死で取り組んでくれました。

早く終わった子たちには、終わっていない子たちへの手伝いを促し、全員が提出できるよう指示。
終了後クラスルームを見ると、ほぼ全員が推薦文を提出してくれました。

完成した推薦文

最後は提出されたドキュメントを印刷し、班の中で相互評価。

 

評価観点を3つ指定し、それらができているかをA.・B・Cで評価。
理由も記入するよう指示しました。

その際、良い点→修正点で記す「Yes~But法」を用いること、必ず良い点は書くように促しました。

見合う作業は、友達同士適切なアドバイスを伝えるよい機会になりました。



こうして無事、1ヶ月に及ぶ6時間の単元は完走し、1学期に成し遂げられなかった単元を補えました。

 

授業を終えて

終了後、確認作業をしていると隣のベテラン先生がやってきてワークシートを見ました。

 

「これ、すごくいっぱい意見書けてますね」

 

お褒めの言葉をいただきました。

作った枠に収まりきらないくらい具体的な意見を書いていたのは、おそらく初めてだと思います。

 

学習計画の明確化
作業を1時間ごとに区切り、メリハリを持たせる
構造に合わせて内容をまとめる
これらを結んで下書き、清書につながせる

 

そして何より思ったのが、普段鉛筆が動かない子がChromebookではイキイキと入力し、いつもよりも深い考えや内容が表現できたこと。

 

不思議とそういった子が必ず一人は現れます。

おそらく書くよりも打ったほうが体に合っているのかもしれませんが、こうした子どもの特質を教員は見逃さず秀でた能力として認めるのもとても大事だと思います。


この活動で少しでも自信を持ってくれたら嬉しいです、

「相手の立場に立って表現する」重要性

子どもたちのふり返りを見ると、ほぼ全員が「相手の立場に立って表現する」意味と重要性を実感していました。

 

1つ前の単元は先生に感謝の手紙を書く活動でしたが、そこでは個人ではなく班ごとだったので、執筆に関わった子だけが実感し、全員に経験が行き渡らなかったと感じていました。

 

しかし今回は全員が対象、伝える相手は下級生であることから、自分が普段から使っている言葉や表現では問題が生じることに気づくことができました。

 

さらに他の人の推薦文を見ることで、自分に足りなかったこと、真似したいと思う表現に出会うなど、この単元で子どもたちは想像以上に多くの学びを得たと実感しました。

 

思いを伝えるとなると、どうしても自分目線で表現してしまいがちです。


しかし読み手が自分より下だったり、もっと上の世代だったりすると・・と考えたら、表現方法について一歩立ち止まれるように感じます。

 

この文章もそうですが、

 

筋道を箇条書きするなどして流れを構成する
思ったことを書く
読み手のことを考えてもう一度再考する
友達から意見をもらうなど表現上の問題がないか考える→校了

 

こうした一連の流れは、リポートの構成に近いですし、何より活動全般が社会で言う「プロジェクト」そのものだなあと思いました。

 

経験を重ねて、社会に通用する力を習得する

見てくださった先生が「これこそ社会に出て必要な力よね」とおっしゃっていたのですが、本当にその通りだと思います。

 

紙ベースで順序を作り、必要な情報を集め、下書きして、問題があれば修正してパソコンでの清書に持っていく。問題なければ提出。


合わせて納期を守ることの重要性、周りの人と協力して取り組むなど、一般的な業務の流れも授業で実体験できたと思えます。

 

学校は社会へ出るための準備機関とは、教職課程のテキストで学んだ記憶があります。
特に近年の学習指導要領はその傾向にあり、昔に比べて実践的な内容が多いと感じます。



早い段階から具体的な活動に触れておくと、社会での即戦力になれる。

そう私は思いました。

 

そして情けない話ですが、この単元でようやく担任の先生たちと連携を深められました。

 

授業は一人で行うものではなく、たとえ指導は一人でも必ずバックボーンがいる。
だから悩むことなく色々相談してもいい。

 

やっとそう思えるようになりました。

 

立場上や環境的に人に頼るのが難しい職場なのでつい(一人で何とかしてやるわ)と抱え込んでいましたが、時にはえいやっと周りに助けを求める声を出す勇気も大切。

それが私にとって、この単元での大きな学びでした。

 

もっと周りと連携できたら図書室に掲示するなど活動に意味を持たせられたのですが、そこまで出来なかったのは力不足でした。

それでも本当にここまで私も子どもたちも達成感のある単元はなかったです。

頑張って良かった・・

 

 

アナログとデジタルで育む、表現の力①推薦文を書くために

こんにちは。ぐうぽんです。

 

5年生の国語もいよいよ大詰め。
今回は初めての長時間単元「この本、おすすめします」の活動について書こうと思います。

時数が足りなくて・・

元々私の担当はコラム系ですので1単元あたり1時間〜2時間です。
しかし3学期が始まるとき、学年主任の先生からこんな話が出ました。

「ぐうぽんさん。申し訳ないんだけど1つ大きな単元を持ってもらえます?こちらの時数が足りなくて・・」

内心「えぇぇ・・」と思ったのですが、担当単元の計画を立てると1ヶ月ほど空白が出ることがわかったので、受諾しました。

その際の候補単元は2つでしたが、私が担う単元とのつながりが強い、1学期に似たような単元があったものの尻切れトンボで終わった後悔もあった本単元を選びました。

初めて指導書 < 自分の理想で進めてみた

今回の件を受けるにあたり、学年主任の先生からこんな助言もいただきました。

 

「授業は絶対的に指導書の時数通りにする必要はないです。どの単元で重点的に指導するか、子どもたちにどんな力を付けさせたいかを考え、時数や授業構成も自由に調整してもいいんですよ」
(どうやらその結果、担任が行える時数がなくなったそうです・・苦笑)

 

なるほど、と思いました。

日本語の特性、読解力、文章での表現、漢字の復習・・
コラム系はとかく様々な領域に触れています。
だからといって均一的に進めるのではなく、力を注ぐ部分を決めて指導することが、本当の指導だと教えていただきました。

 

そこで改めて計画や子どもたちの実態を見直し、(この子たちは間延びさせると遊ぶから、詰め込んだほうがいい)と思い本来7時間の内容をあえて6時間に縮め「がんばれーー!」とハッパをかけることにしました。

流れの具現化と骨格設定

指導書と教科書を見ながら、ざっくりと計画を書いてみました。

指導計画書

漠然としていた進行が、スッキリ整理できました。

これを元にPowerPointを作り、さらに工程に合わせたワークシートも作成していきました。

清書は手書きにするかChromebookにするか最後まで迷いましたが、教科書を見た時から決めていたGoogleドキュメントを選択。
(時間があれば選択制も検討していました)

推薦文のひな形はこちらで作成し、クラスルーム経由で配布しておきました。

 

授業調整を行っていいとのお言葉にも甘えて基本の2時間を1時間ずつに分割させてもらいました。

下級生へ推薦文を書く

いよいよ授業です。

前単元での手紙活動を踏まえて、伝える相手と目的を明確にして推薦文を書くことを学習課題とし、学習計画を提示しました。

学習計画の提示は、活動の見通しを持たせる

本の選書については前もって学校司書さんにお声かけして協力を依頼。訪問日に授業を集中させました。


選書に迷う子への本の紹介や提案など、自分では賄えないことを担っていただいたので助かりました。

 

2時間目では選書した本の詳細を書き出しました。


題名、作者、本の内容やおすすめしたいことなど、いわゆる推薦文の「核」になる部分をまとめてもらいました。

 

提示スライド
使ったワークシート。ひな形は画面をスクショで貼り付けただけ。

3時間目では書き出した内容に対する推薦文の配置を考えました。
時間短縮のため教科書を参考に意見を出し、項目の順番を決めました。



元々作っておいたひな形は教科書をベースにしているので、自ずと子どもたちの出した項目の順番はひな形に当てはまる仕組み。

 

項目が決まれば、既に書き終わっている「核」の情報をそれぞれの項目に書き写すだけ。

 

チェックに合格した人からChromebookへの清書へ。
すると下書きがやりやすかったようで予定より早く作業に入れた人が続出。

 

こうして子どもたちは私の仕掛けた作戦に乗り、自然と推薦文の執筆へと移行できたのでした。

長くなったので続きは後日。

青梅市国際理解講座 Viscuit夏期プログラミング教室2022

こんにちは。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

 

昨年から青梅市の国際理解講座の一環で夏休みプログラミング教室を担当しています。

 

国際理解講座はグローバル社会を生きる人材育成として主に英語に触れることを目的に1年間実施しています。

 

プログラミングは英語の構文理解、論理的思考の育成を図る観点から実施されており、今年はコロナ禍を考慮し人数は10人程度とし、Viscuitの基本操作を中心に講座を行いました。その様子をご紹介します。

 

 

1日目 プログラムの原理と動かし方

今年度は小学生はビジュアルプログラミング、中学生はテキストプログラミングでコースを分けており、私は小学生を担当。昨年好評だったビスケットを使いました。

www.viscuit.com

 

講座を行う前に、昨年度の内容についてブログを読み返しました。

ict-edulab.hatenablog.com

 

すると、課題の中にプログラミングの理論に触れたかったという一文がありました。

触れるだけ、体験するだけでもプログラミングの楽しさは味わえますが、少し理論を加えたいと思いましたので、ビスケットに触れる前プログラムの原理(順次・分岐・反復)について簡単な解説を行い、意識付けを図りました。

さっそくビスケットに触れてもらいました。

まずは絵を書いて、その絵を動かす手順を理解する練習をしました。

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メガネで命令する操作に、最初は戸惑う場面もありましたが直感的に操作できるようになると理解が早まってきました。

昨年はテントモードから通常モードに変えたら作っていた作品が消えたという事故が相次いだので、とにかく保存を促しました。



後半は回転動作と分岐処理を意識したプログラミングにチャレンジしました。

既に複数の絵を使ってアニメーションを作っているので、絵同士がぶつかったときどのような動きにさせるのか、タップしたらどうなるかを考えてもらい、イメージの実現に向けて作業しました。

 

2日目 音楽や美術に特化して

2日目は昨年あまり触れられなかった音楽と美術を実践しました。

前半は音階づくりをレクチャーし、自分なりの音楽を奏でました。

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ビスケットには単音ですが音を鳴らす機能があるので、鍵盤を書いてそこに音を乗せ、タップしたら音が出る仕組みを作りました。

単音なのに和音もできるのが私としてはすごいと思います。

 

後半は幾何学模様づくりにチャレンジ。

画像

回転やプログラム一つで正確な模様を描けるのはコンピュータだからこそ成し得るものだと感じます。

 

これには多くの参加者が反応しており、「やってみたい」「どうやって作ってるの?」の声が聞こえました。種明かしをすると早速取り組み始め、できたときは歓声が上がるほどでした。


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この日も保存を促しましたが、Chromebookのスクショ機能で録画する子も出てきたので、少しでも活動の証拠を残せるようフォローしました。

 

3日目 ゲームづくりと生活に活かすプログラミング

ここまでで十分基礎を学んだので、最終日はゲームづくりをしました。


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さすがに少しレベルが高かったのか質問が相次ぎました。

それでも一つやり方に気づかせると自ら予測を立ててプログラムを構成し、作品の完成を目指して頑張っていました。


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参加者の中には昨年参加した子もいました。

たった1年で見違えるほど上手な作品を作り出していて、子どもの成長を感じました。

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最後に、今回の体験を体験に留めず、生活に活かす、自分で課題を見つけプログラミングで解決を図ることについて説明して終了しました。

 

まとめ 成果と課題

まず成果です。

 

・深いプログラミングを体験できた

時間を増やしていただけたので、より深い部分にまで体験できました。

特に後半は制作に多くの時間を要する内容だったので、90分という時間でも足りないくらい、充実した制作ができました。

 

・プログラムの原理に触れられた

昨年実施できなかった「順次・分岐・反復」を説明できたのは良かったです。

活動の中で、様々な場面で「これが順次」「これが反復」というように具体例を用いて説明し、本質理解に取り組めました。

 

・興味関心を持ってくれた

全員前向きに取り組んでいましたが、先ほどの原理説明など理論にも意欲的な子もいました。

全員が全員プログラミングの道に行くとは思っていませんが、この中から一人でもこの世界に興味を持ち、将来につながるようであれば嬉しい限りです。

 

次は課題です。

 

・離脱者が出た

小学生と中学生で内容を分けてしまったため、テキストプログラミングについていけなくなった中学生が数名こちらに移動してくる場面がありました。来年は学年で分けず、レベルで分けることを検討するそうです。

 

・プログラミングの知識・技量不足

これは私自身の問題です。

時間講師での勤務に没頭し、プログラミングに対する意識が下がっていたこと、知識を使っていないため、伝えたい内容が明確にできないままでした。

この活動で再度重要性を見直し、「もっとプログラミング教育を普及させる必要がある」と強く感じました。

 

 

早速2学期から勤務校の担当学年で適宜プログラミングの授業を実施する許可はいただきましたので、実施計画を練っています。

また他校に勤務している先生から「やりたくてもどうしたらいいかわからない」のお声も受けましたので、プログラミング教育の意義や簡単な授業例を伝える講習会を提案したいと思います。

 

この3日間で、再びプログラミング教育への意欲が高まりました。

参加いただいた皆様、そして活動を支援いただいた青梅市国際理解講座の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました!

 

【関連記事】

プログラミング の検索結果 - ICT教育推進研究所の研究室

 

夏期プログラミング教室につながった最初の取り組みです

キッズ体験教室~プログラミングを体験しよう - ICT教育推進研究所の研究室

 

学校ですぐ使えるプログラミングサイトを紹介!

子どもの「やりたい!」が止まらない!学校で使えるプログラミングサイト4選 - ICT教育推進研究所の研究室

子どもの「やりたい!」が止まらない!学校で使えるプログラミングサイト4選

こんにちは。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

 

プログラミング教育を推進する上で、大切なのは教材ですね。

子どもたちの発達段階に合わせたものを用意したい。とはいえ何を使えばいいかわからない・・

 

「プログラミング教育に使える教材を知りたい」

 

プログラミング的思考を育成する手法はアナログ(アンプラグド)・デジタルで色々ありますが、今回は実際に私が学校で活用し、効果を発揮したプログラミングサイトを4つご紹介します。


これを読めば明日からでもすぐプログラミング授業が始められます!

 

 

おすすめプログラミングサイト

①スクラッチ

プログラミングはキーボードで延々と打ち込むもの(↓こんなイメージ)

プログラマーのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

クラッチは、そんな既成概念を一変させ、子どもでも簡単にプログラミングを実現した画期的なソフトです。

プログラミング教育=スクラッチと言えるくらい有名です。

 

クラッチ

https://scratch.mit.edu/studios/1168062

 

ブロックパーツを組み合わせるだけでプログラムが作れるので、小学生でも簡単にプログラム作成を体験できます。

パーツも多種多様用意され、オプションを組み入れると作曲やmicro:bit、レゴとの連携ができます。

 

クラッチについては様々な活用説明ページもあります。操作について詳しくは下記ページをご覧ください。

arschool.co.jp

 

NHKの学校放送でもスクラッチが学べます!

www.nhk.or.jp

 

書籍関係も豊富です。その中でのおすすめは「スクラッチドリル」です。

計算ドリルのように一つ一つ課題を学べ、1時間単位で実践できるので、授業での活用に重宝しています。

 

  

 

 

②ビスケット

クラッチはプログラムによって数値や英語の入力が必要となります。

まだ入力等は難しい・・という場合は、ビスケットをおすすめします。

 

ビスケット

www.viscuit.com

 

ビスケットの特徴は言語を用いないプログラミングです。

お絵かきでキャラクターを作り、「メガネ」とよばれるツールでプログラミングするので、視覚的、感覚的に操作できます。

4歳からでもできるという謳い文句そのままに、小さい子でも簡単にアニメーションやゲームをプログラムできます。

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ビスケットのバイブル「ビスケットであそぼう」では基本操作が習得できます。

 

 

 

③アワーオブコード

これまで紹介した2つと違い、論理的思考に特化したサイトがアワーオブコードとアルゴロジックです。

 

アワーオブコード(Hour of Code)

hourofcode.com

アワーオブコードはスクラッチのブロックコードを利用しているので、スクラッチの操作が分かれば簡単に操作できます。

 

おすすめは「初めてのコンピュータ」。

アングリーバードが主役の迷路ゲームです。

これだけで45分間授業が盛り上がります(笑)

 

④アルゴロジック

より難しさを追求できるのがアルゴロジックです。

ロボットをゴールに導く迷路ゲームを通して、一つ一つのプロセスを確実に命令させるため、内容は高度です。



アルゴロジック

algo.jeita.or.jp

 

「教育関係者の皆様へ」をクリックするとワークシートや解答例が見られます。


まとめ

今回は学校で使えるプログラミングサイトを4つご紹介しました。

クラッチが代表的ですが、他にもこれだけサイトが存在しますので、児童生徒の実態に合わせて使い分けると良いでしょう。

 

紹介したサイトは全部簡単な操作なので、基本操作を覚えるだけで十分。

ぜひプログラミング教育推進の一助に活用してみてください。

 

【関連記事】

プログラミング教育に関する記事をご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

プログラミング教育 その本質とは? - ICT教育推進研究所の研究室

10ヶ月の情報教育を終えて~プログラミングとICT指導の第一歩 - ICT教育推進研究所の研究室

【5年算数】通分・約分の理解にプログラミング - ICT教育推進研究所の研究室

プログラミング教育のしおり - ICT教育推進研究所の研究室

「順次・分岐・反復」は思考の万能ツール - ICT教育推進研究所の研究室

 

 

【小2算数】かけ算 PowerPointで同じ数ずつ分けてみよう

 

こんにちは。お暑うございます。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

 

小学2年生は、2学期に入ると大きな単元が待っています。

 

そう、「かけ算」です。

 

四則演算の3つ目に当たるかけ算は、人生を左右させるくらいの重要度だと認識しています。

昨年度1年間担当した授業エピソードの中で、今回はかけ算の導入場面としてPowerPointを使った具体物操作をご紹介したいと思います。

(参考:学校図書 2年算数下巻P11)

 

 

たし算からかけ算へ

これまでの学習で、児童は全部の数を求めるときはたし算を使ってきました。

 

しかし、3こずつのりんごが8さら、となると

3+3+3+3+3+3+3+3と式は長くなります。

 

たし算では計算が面倒であることに気づかせ、かけ算の存在へと繋がせます。

 

ここではPowerPointでの操作を通して、

 

同じ数ずつ分けられる→かけ算が使える

分けられない→かけ算が使えない

 

ことを理解させるのが目標になります。

 

問題ファイルの作り方

実際に使ったものが以下のスライドです。

まずはお皿を作ります。

 

お皿の作り方

図形から楕円と四角を選びます。

 

 

楕円と長方形を作ります。



作ったら、画像のように合わせます。



楕円を選択し、右クリック→最前面に移動を選びます。

 

 

 

お皿ができました。

 

 

1つできたらグループ化し、これをコピー貼付けすれば、簡単にお皿が複数作れます。

 

 

乗せたいものを貼り付ける

 

次に、乗せたい果物を選びます。

挿入→画像→オンライン画像や、ネットから選んでもいいですし、丸などの図形で代用もできます。

 

1個作り、コピー貼り付けすれば、具体物は完成です。

 

 

 

 

最後にスライドをコピーし、問題文(2こずつ、3こずつ、4こずつ、5こずつ・・)を作れば完成です!

 

授業での使い方

児童にファイルを配布したら、使い方を説明し、動かしながらかけ算が使えるか使えないかを確認させましょう。

ワークシートやノートに表を作り、かけ算ができるものに○、できないものに✕をつけさせると良いでしょう。

最後に結果を発表させ、等分できるものはかけ算が使えて、等分できないものはかけ算が使えないの概念理解でまとめます。

 

操作の留意点

操作の留意点をいくつかお伝えします。

 

1つ目は、動かすときの手順です。

 

いきなり動かしたいものをタップしても動きません。

一回動かしたいものをタップして、枠線を表示した状態にすれば動かせますので、最初に説明しておくと良いでしょう。

 

 

2つ目は枠線にある○ハンドルです。

 

ここを動かすと画像が拡大縮小しますので、形が壊れます。

低学年の場合、操作がおぼつかないことが多いので、具体物はなるべく大きめに作り、真ん中を動かす、ハンドルは触らないよう指導してください。

コツがわかれば上手に動かすことができます。

 

実践してみて思ったこと

ICT支援員時代、毎年のように行っていた、いわゆる自信作の一つでした。

 

しかしいざ自分が教科担当となると、それ以外の単元への対応や毎日の授業準備、全く心に余裕がなくなり、気づくと存在すら忘れてしまう次第・・(汗)

もう少し余裕があれば、時間に余裕があれば・・と反省しています。

 

ただ、過去の実践を振り返ると、動かしている児童の目の輝きが違いました。

2個ずつ、3個ずつはできても5個ずつにすると「あれ?余っちゃったよ」「これじゃかけ算できないよ」と気づいたり、「先生、お皿からはみ出ちゃうんだけどー」「うまいこと乗せて」「えー(笑)」等々のつぶやきやら笑いが絶えませんでした。

 

ちなみにGoogleスライドで作っても動作できました。


一人一台環境ができている今、ぜひトライしてみてくださいね!

 

【関連記事】

2年算数で取り組んだ記事をまとめています。こちらもよろしくお願いします。

小2算数 しきつめをやってみて思うこと - ICT教育推進研究所の研究室

【小2算数】ICT活用事例紹介 はこの形 - ICT教育推進研究所の研究室

 

 

 

 

【小5国語】日本十進分類法との出会いと図書館オリエンテーション

こんにちは。元ICT支援員で教員のぐうぽんです。

これまで約1年半担当してきた算数を離れ、4月から高学年の国語を担当しています。

 

 

担当は「単発単元」

国語のどんなところを担っているのかというと、簡単に言えば「単発単元」です。

 

国語の教科書と言うと、ごんぎつねや大造じいさんとガン、やまなし等の読み物系が心に残っているのではないでしょうか。

それらは担任の先生が行い、私はそれ以外。

主に漢字、詩、情報、習字など国語の幅広いジャンルについて指導させてもらっています。

 

とはいえ経験は大学のテキスト履修程度の右も左も分からない指導初心者。周りの先生に(どうすれば・・)と指導のノウハウを聞いてもドンピシャな回答がもらえず。

 

えええ…どうしたらいいの…

泣きたくなるくらい前が見えず苦しかったです。

 

そんな時でも助けてくれるのが指導書。

(算数でも本当に助かりました)

 

藁をもすがる思いで担当するページを開き、自分のありったけの経験や知識を呼び起こし授業を組み立てていこうと決心しました。

 

選書をふりかえり、意識を学習目標に向けさせる

5年生最初の授業は「図書領域」。授業の流れは

 

日本十進分類法の理解→図書室で分類法を使った選書に取り組む 

 

です。

 

実は密かに図書館司書教諭の資格を持っていますので、見たとき「おおおお!!」と心が踊りまくりました。

 

指導書を読み進めるにつれて、

 

数回程度しかない貴重な図書単元をやるんだから分類法の利便性を伝えたい!

選書の面白さも伝えたい!

情報センターとしての役割もできれば〜

そうそう算数時代に心底学んだ「既存知識を引き出す問いかけ」を国語にも取り入れて~

 

 

凹み気味だった心が一気に前向きに変わりました(笑)

 

授業のイメージも固まったのでさっそく提示用スライドを作り始めました。

 

 

必ず悩むのは導入です。

自然に展開にまで引き寄せるにはどうするか。うーん・・・

 

考えた答えは

 

「選書のふりかえり」

 

今日までの間、みんなはどんな方法で本と出会ってきたか、本を選んできたか、を思い出してもらい、新たな選書方法に繋げることにしました。

 

提示用スライドを見せ、意見を聞くと

選書をふりかえろう

「友達におすすめを聞いた」

「なんとなく眺めて」(これが多かった)

「好きな本がある棚を知っているからそこを見る」

 

このような意見が集まりました。

 

その後日本十進分類法の存在と概要を伝え、簡単なオリエンテーションへと導きました。

 

選書の裏には引用への布石

展開は選書ですが、単に選書させるだけではつまらないので、

 

色々な分類から選ぶ

選んだ本は記録カードに書く

 

ことにしました。

 

図書室でもスライドを投影し、活動内容をいつでも見られるようにしました。

活動指示スライド

 

本の記録カード


カードにはちょっとした工夫を入れました。

 

本の題名や分類番号だけでなく、作者や出版社にも着目させています。

 

さて・・

 

なぜ私が作者や出版社まで書かせようとしたのかお分かりですか?

 

 

実はこれ、後に学習する「引用」につなげているのです。

 

 

自分の考えを証拠づける「引用」は、のちのレポートや論文等につながる重要項目です。

 

引用の手順に

「作者・出版社・発行年を記載する」

ルールがあります。

 

この時点では学習前ですが、せっかく本を選書するのだから

 

引用に必要な記述についても軽く触れさせておこう

 

と考えたのです。

 

 

でも子どもたちには説明せず、書いといてね、とだけ指示し、いつもと違う本を選ぶよう声かけし、思い思いに本に向き合ってもらいました。

 

学習のふりかえりと実践後記

振り返り付きワークシート

最後に、必ず振り返りをする旨を伝えました。

振り返りについては感想をベースとし、書ける子どもには深く追求するよう促しました。

 

なおワークシートに掲載したキャラクターたちは、広島県廿日市市民図書館が提供しているデータを拝借しました。

イマドキなキャラたちだったので、子どもたちに大変好評でした。

この場を借りて御礼申し上げます。

 

www.hiroshima-hatsukaichi-lib.jp

 

初めての国語の授業は概ね成功しましたが、ワークシートの配置や文言、子どもたちとの関係性もまだ最初だったので手探り状態。図書館の蔵書も知らない、学校司書さんとの連携もできずだったので、司書教諭としては行き当たりばったりな授業展開でした。

 

【関連記事】

5年、6年国語 光村図書単発単元記事を随時更新中。

【6年国語】文の組み立てをPowerPointでやってみた - ICT教育推進研究所の研究室

 

「国語でICT」を実現するために色々考察しています。

国語でICT活用①アナログ運用は課題満載 - ICT教育推進研究所の研究室

国語でICT活用②「話す・聞く」活動をタブレットで - ICT教育推進研究所の研究室

国語でICT活用③「書く」活動をタブレットで実現させよう(前編) - ICT教育推進研究所の研究室

 

noteではICT活用以外の記事も書いています。こちらもぜひご覧ください。

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